刀の伝来証明にもなる「売立目録」って?
刀の伝来を証明する物の一つとして、大名家の売立目録があります。
これはどんな物なのでしょうか?
我が家に池田家のものが一冊あるので中身を一部紹介します。
①売立目録とは
個人や名家の所蔵品などを決まった期日中に売立会で売却するため、作成、配布された冊子のことです。
売立目録にはその売立会で売却される美術品の名称や写真などが掲載されていて、美術品の伝来や流通を考えるうえで重要な資料として扱われているようです。
売立会は東京美術倶楽部や京都美術倶楽部、などで行われたようです。
東京美術倶楽部は現在「大刀剣市」が行われている場所ですね。
②個人・名家の売立目録100選リスト
以下のリンクから様々な名家の競売にかけられた品の目次を見る事が出来ます。
例えば、以下は佐竹家の売立目録です。
このように刀も載っていたりします。
ここには目次しか載っていませんが、実際の売立目録には写真も掲載されています。
③実際の売立目録
例として、池田家の売立目録をご紹介します。
1ページ目にはタイトルと開催日時が記載されています。
この本からは下見日が2日間設けられ、最終日に入札していた事が伺えます。
売立品は絵や書、屏風、壺、茶器、置物、棚、漆品、刀、着物など実に様々です。この売立目録には485品掲載されていました。
刀掛けもあります。
以下は「能」で使う刀です。
刀身が載っている場合もあります。
最終ページには該当する番号の品名が記載されています。
見た印象として、絵画や茶道具がかなり多かった印象です。
刀は大抵最終ページの方に記載されており、当時は美術品としてはあまり高い評価を得ていなかったのかもしれません。(これは想像ですが)
④終わりに
時々美術館や刀屋さんで「徳川家伝来」などの文字を見るかもしれません。
これは何かしら裏付け資料があるからこのように記載されているわけで
すが、もしかすると徳川家の売立目録に載っているかもしれませんね!
また現在博物館などに収蔵されている刀も何振りか載っていますので、調べてみると面白いかもしれません。
売立目録は国会図書館だとほぼ見れませんが、「東京文化財研究所」で見れるらしいです。
場所は以下です。
明治から昭和に発行された2500冊を超える売立目録を収蔵しており、公的な機関としては最大のコレクションらしいです。
今回も読んで下さりありがとうございました!
読んで面白かったと感じてくれた方はハートマークを押してくださると嬉しです^^
記事更新の励みになります。
それでは皆様良き御刀ライフを~!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?