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刀は手入れすると美しくなる?
愛刀家あるあるかもしれませんが、日ごろ刀の手入れをしていると実際に地刃や映りが良く見えるようになってくる気がしてくる。
以下の写真は買った直後と、2日に一度くらい拭った4か月後の比較画像です。(打ち粉はたぶん5回位使った記憶)
写真の撮り方や照明の種類、当たり方などで見え方が変わっている部分も充分ありますが、沈みがちな眠い刃も少し鮮明になってきたようにも感じます。
①刀の変化の写真
購入直後
購入後4ヵ月
購入直後
購入後4ヵ月
仕事の都合上部屋の刀用の照明も実験で定期的に変えていることもあり当時のライトが無く同じように撮る事が出来ないので完全な比較が出来ませんが。。
ただ沸映りが以前よりもはっきり目視出来るようになった気がします。
(これは昔の写真が無く比較が出来ないのですが…)
赤い線の上の白くなっている部分ですね。
②どうやら実際に良くなっている可能性が!
で、これはどうも錯覚では無いらしく、実際に良くなっている可能性があるというのです!
まさに手をかけた分だけ良くなるという不思議な話。
実はこれ、錯覚でもなんでもなく。
— dora (@RobeltDora) May 13, 2021
「丁寧な手入れの結果、鉄表面の微細研磨痕や乱反射する微細痕が、打粉やその他の微粒子により一定の方向に揃ってきた状態」
だったりする。 https://t.co/yrM6U1filV
食材にも「熟成」と「腐敗」があるように、適切で丁寧な手入れを経ることで刀剣も育っていく。
— 将成鍛刀場 (@masashige910) May 14, 2021
また、そのような変化が表れるのには、丁寧な研磨、刀剣の素地の良さが不可欠です。
近現代の、特に相州伝はあまり変化が無いかもです。 https://t.co/4eWPJmpGRx
なるほど、鉄表面の微細な研磨痕や光を乱反射する微細痕が打ち粉やその他微粒子によって一定の方向に揃ってきたから見やすくなったと。
刀剣店の方も「良い打ち粉」を使って手入れを続ければもっと良くなると思うよ、とは時折言っていました。
③良い打ち粉とは?
その「良い打ち粉とは?」について肝心な事を聞き忘れていたのですが、先日職方さんが回答下さり、研師さんが仕上げで使用されている打ち粉がヒケも付きづらく良いというのです。
この仕上げ用とは「内曇」という砥石の粉と思われます。
研師作の仕事用打粉ですね。仕事で仕上げの際に使うので絶対にヒケが生じません。しばらく先にはなりますが御進呈しますよ。
— dora (@RobeltDora) May 14, 2021
@g_icegohan 打粉はあのテルテル坊主状になった中に内曇(うちぐもり)という仕上げ用の砥石の粉末が入っています。日本刀は錆ないように普段は油を塗ってあるのですが、御刀のお手入れの際に刀身に打粉をポンポンと打ち、柔らかい布で拭うことによって油を除去します。
— 御刀研師 関山和進 (@masamune62) January 19, 2015
他にも研師さんの使っている物でない一般的な打ち粉だと刀身にヒケを付ける可能性がある為あまり打ち粉は使わず拭うだけに留めた方が良い、とも言われています。
私の場合は常に自作の展示ケース内に刀を飾っていて2日に1度は取り出し拭っているので油は塗っていません。
基本打ち粉もつけず拭っているだけです。
④拭いすぎも良くない?
但し「薫山刀話」という本に、尾張徳川家が江戸時代に殆ど錆びさせることなく毎日拭っていたら肌がトロトロになりビードロ研ぎのようになっていたという話もあるのでやり過ぎは良くないのかもしれない。
(画像:「薫山刀話P98」)
⑤終わりに
刀を手入れする事で見た目が変わるのは事実らしい。
これは愛刀家にとっては嬉しい事ですね。
手間暇かけた分だけ返ってくるので、愛着が湧くというもの。
しかしかなりミクロな話なので日に日に目に見えて変わるわけでは無いので実感は殆ど無い。
当然変わったという明確な自信もなく、「変わった気がする」程度。
でも仮に変わって無くても変わったと思えるならそれはそれで幸せなのではないだろうか。
写真ではなかなか分からないかもしれませんが、買った直後に写真など残しておくと後で比較出来て良いかもしれませんね。
革製品の色変化を実感するように。。
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それでは皆様良き御刀ライフを~!