環頭大刀の柄頭はこう止まっていたのか
以前環頭大刀の柄頭を見た際に孔が二つあり何だこれは?と思った事がある。
因みに柄の下部にこれは付いている。
一体どうやって固定されているのだろうか。
というのが個人的に素朴な疑問であった。
その答えは以下の本「古代刀と鉄の科学(著:石井昌國、佐々木捻)」に載っていた。
こちらの本、上古刀の特徴などについてとても詳しく載っているので読んでいてとても面白い。
上古刀の目釘孔は茎中部から上部にかけてと、茎下部の合計2個空いているものがとても多く感じたが、つまるところ茎下部の目釘孔はこの柄頭を刀身と共に固定する為の孔であったのだ。
またこれにより環頭を交換出来るようになったのだと書かれている。
環頭の方に目釘孔が2つ空いているのは固定する部分を変える事で手元の重心バランスを変える為であろうか。
もしくは単純により多くの剣に付けられるように空いていただけかもしれない。いずれにしても環頭を付け替えられるようになっているという事実は興味深い。
刀の拵は江戸時代以降特にお洒落としての側面が強くなるが、この上古刀の時代、古墳から奈良時代にかけての時代でももしかするとお洒落の意味も持ち合わせていたのかもしれない。
もしくはお洒落などではなく、環頭に深い意味が込められておりケースバイケースで付け替えを求められた(例えば儀式の種類によってなど)のかもしれない。
この辺りはまだ分からないので引き続き勉強が必要。
以下の本、上古刀についてとても詳しく書いてあり、この時代の刀が好きな人は楽しめる1冊かと思います。
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)