
刀身を部屋に飾るデメリット
昨日関東で震度5弱~5強の強い地震がありました。
久々の揺れでヒヤリとしました。
我が家は震度5弱で物が少し落下したりしましたが、刀は幸い無事でした。
皆様もご無事であることをお祈りしています。
いきなりの揺れで焦りましたが今回の震度5弱の地震では刀身少しも動く事なくクリア!
— 刀箱師 | 中村圭佑 | 展示ケース作家 (@katana_case_shi) October 7, 2021
壁掛けはやはり揺れに強いですね。 pic.twitter.com/DakEQoIIMR
さて今回は展示ケースに入れて刀身を部屋に飾るデメリットの話です。
個人的に考えうる最大級のデメリットです。
これ以外は正直デメリットを感じなかったりするわけですが。。
・一番のデメリットは火災時
なんと言っても1番のデメリットは「火災」の時。
刀に火は大敵です。
刀は鉄なので火に強いと思われる方もいると思いますが、もし刀身が火にさらされると全体が黒くなって刃文が消え、地景などといった地鉄の美しさ、そしてなにより武器としての機能も失われます。
これは研いで元に戻るわけではないので、昔の人はよく再度焼き入れを行い刃を付ける事で武器としての役割を復活させていました。
これを再刃と言います。
有名所だと一期一振や不動行光あたりでしょうか。
しかし先に書いたように再刃するともともとの刀とは見た目が大きく変わってしまいます。
浸水などによる錆びであれば早めに水分を取ってあげて錆が奥深くに浸透する前に研げばまた元の美しさが復活するのですが、火災はそうはいかないのでやはり1番の大敵かと。
そのため火災の時は刀を持って逃げないといけません。(当然の事ながら身の安全が第一ですが)
しかし展示ケースに刀身を飾っていると、担いで逃げようにもまず展示ケースのドアを開けて刀身を鞘にしまって…と時間が掛かってしまいます。
流石に生身の刀身を持って逃げるわけにはいかない。
避難先で現行犯で捕まってしまいます。
火事の中、鞘に刀をしまう、そんな悠長な時間が果たしてあるのか?というと現実問題厳しい気も。
これが刀を部屋に展示する上で個人的に考えうるデメリットです。
・終わりに
対して展示ケースに刀身を飾るメリットと言えば、刀袋から出す煩わしさがなく気軽に刀が見れる事に尽きると思います。
やはり自分で気に入って買った愛刀はいつ見ても気分が良くなります。
(以下は先日訪問させて頂いた方の御刀の写真)
因みに火災から完全に守ろうとした場合、耐火金庫に入れておく必要があります。万全を期している方は部屋自体が金庫兼耐火部屋のようになっているかもしれません。
しかしそうした所に刀をしまっておけば刀を日常的に観る事はなかなか難しくなります。
ならば耐火展示ケースを作れば良いではないかと思う方もいるかもしれませんが、製作は不可能です。
耐火金庫のような構造が必要ですので両立が出来ません。
なので現状火事対策が出来るとすれば耐火部屋の中に展示ケースを飾る事位でしょうか。
うーん、なかなか現実的に難しい。
そんな事から万一の火災は割り切り、日々の楽しみを私は優先しています。
とはいえ、出来る範囲の事で、例えば鉄を外装に使ったりなど引火しにくい展示ケースを心がけて作っています。
しかし全焼するくらいの火事だったらまず刀も無事では済まないでしょう。
この辺りは人により考え方が異なると思います。
火災と言っても例えばマンションなどで自分以外の家から出火したという警報であれば、刀をしまう位の時間はあるかもしれません。
反対に、展示ケースに飾っていなくても刀を家の奥底にしまっていて直ぐに持って逃げられなければ意味がありません。
万が一火事が起こった際に最低限何を持って逃げるかだけでも日々考えておきたいですね。
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
地震についての対策は以下をご覧ください。