「第13回 西葛西刀剣市」へ行ってきました
9/25~9/29まで開催中の美術刀剣松本さんの展示即売会へ行ってきました。
西葛西駅おりてすぐにある建物の3階お店内にて行われています。
刀剣松本さんは定期的に展示即売会を行っているお店という事もあるのか、商品の入れ替わりも早い印象があり行く度に陳列品が変わっているので楽しめます。
着いたのは午後13時頃でしたが店内には多くの人が。
という事で今回も個人的に興味をそそられたものをいくつか紹介します。
(店内は許可を得て撮影しています)
①脇差 無銘 堀川國徳
鎬筋の繋がりなどから元々少し長い刀を大摺り上げしたのでしょうか。無銘ながら堀川一門の精美な地鉄が感じられる片切刃。
匂口が締まっている様子などからも個人的には国広でいう天正打ちに近い末関風の作風を感じる作で、地鉄が特に良く印象的でした。
状態も良く30万円?!と個人的に驚いたわけですが、新刀で脇指の無銘という事だからでしょうか。
長く鑑賞を楽しめそうな作です。
②刀 伊豆國住竜義作
地鉄を見て「なんじゃこれは!」と度肝を抜かれた作。
拡大してよく見てみて下さい。この地鉄。
隕鉄など混ぜているのでしょうか。
かなり変わった地鉄をしています。新々刀期の刀工で同じような地鉄の出方をしている刀工を以前見た事があったのですが、はて何だったか…ちょっと記憶が飛んでしまいました。
来場していたお客さんから聞くに、どうやら人気YoutuberであるHoykey一刀両断TVさんに登場されている刀鍛Gさんのお兄様の作だそうで!
非常に面白い作でこうした他の刀とちょっと違う出来の刀には個人的にもちょっと惹かれるものがあります。
手にも取らせて頂きましたががっしりとした造り込みに対して非常に手持ち感が良いのも印象的でした。
拵は肥後象嵌の施された金具が使用されており、こちらもお金をかけている事が感じられる拵でした。
こちらも拵付きで60万円という事で非常に安さを感じた次第。
③脇差 無銘 伝千手院
鑑定書が付いていないものの(旧鑑定書はあり)よく沸付いた刃や地景が刃に絡む様子などから大和伝の良さを感じられる作で出来も良く感じました。
大摺り上げで感覚的には小太刀のような手持ち感でしょうか。
茎もいやらしさが感じられずこうした作は持っていて気持ちよさそうですね。
個人的には審査に出したら特保くらいまで付きそうな印象はありましたが、鑑定書が現時点で付いていない事は事実なので購入検討される方はお店に理由は聞かれた方が良いかと思います。(まだ出していないのか、出したけど審査に通らなかったのか)
④鐔 花弁図 肥後
素銅地でしょうか。半太刀拵に付いていそうな鐔です。
切羽台がえぐられているような感じから時代が上がりそうにも感じましたが、肥後の鑑定書が付いているとのことで櫃孔の形などからでしょうか。
風合いが良きでした。
⑤鐔 虫食い鐔 古金工?
個人的に今回の展示鐔の中で一番そそられた物かもしれません。
虫喰いが非常に詫びていますね。(勿論虫喰いはデザインであり、実際に虫喰いされているわけではありません。昔はそういう虫喰いに生命の力強さや詫びなどを感じていたのかもしれません)
非常に奥ゆかしい作で出来もとても良く感じました。
更に、光にかざすと紋様が浮き出してきます。
時代の上がる桃山頃の古金工の作に感じましたが鑑定書は付いていないようで以下の棚の上のコーナーを物色しているとありましたが出来が良く印象的でした。
・終わりに
他にも六角形の鐔箱などは初めてみました。デザインが洒落ていますね。
こちらは伝来品だそうで。
箱書きも当時のもので雰囲気があります。
また製作しているケースも展示下さっていました。
展示刀は関の兼則。室町頃の作でしょうか。
値段などは表示されていませんでしたが、関の地刃の良さが良く出ている作でしたので行かれた方はこちらも是非ご覧ください。
尚展示ケースは刀剣松本さんでも注文出来ますのでもしご興味ある方はご相談されてみてください。
店内には他にも沢山の刀や刀装具が展示されています。
展示会は5日間開催で9/29まで行われているようですので、ご興味ある方は行かれてみては如何でしょうか!
今風の刀剣店でガラス越しに店内が見えるので初心者の方も入りやすい雰囲気かと思います。
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それでは皆様良き刀ライフを!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)
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