刀を白鞘から払う時のポイント
銀座長州屋さんのYoutubeで「長い刀の抜き方」という非常に為になる動画がアップされていました。
(Youtube「#39【長い刀の抜き方】日本刀専門店 銀座長州屋」より)
三尺(刃長約90.3㎝)と長い刀をスッと払う姿はまさに神業です。
以前私も2尺8寸(刃長約86㎝)くらいの刀を白鞘から払おうとした事があるのですが、どうも長く重く、綺麗に白鞘から刀身を抜き切るのが難しい。
手の長さが足りず最後は腕がプルプルするのです。
この理由は長州屋さんの動画を見て分かったのですが、鞘を掴む左手の位置にありました。
この長州屋さんの動画ですが、所作が美し過ぎるあまり素人でも簡単に真似出来そうに感じてしまう、というよりもつい真似たくなってしまうのですが、細かなテクニックが凝縮されているので、そこを意識せずに「早く抜くのが格好良い」と真似すると刀身に大きなヒケ疵をつけてしまう可能性があるので慣れない人はただ何となく真似るだけではなく、細かい動作も良く見て真似るようにすると良いかと思います。
動画内で行われているサッと行われている細かなテクニック
①白鞘の棟部だけを滑らせて真っすぐ抜く
動画内では刀身を素早く抜いていますが、当然ながら上記の事に気を付けた上で抜いています。
動画でも最初に注意書きがありましたね。これは上記の事を言っています。
・この所作に隠されたポイント
因みにこの所作をする際に、左手は固定して行います。
両方の手を同時に動かすとぶれる為です。
動画でも左手をよく見てみて下さい。
刀身を抜いている最中は左手は固定して右手だけを動かし、左手は最後に少しだけ動かす程度です。
右手は脇をしめて行っています。
これにより刀身を抜く所作が安定します。
そして刀剣商の方は得てして抜くのがとても速いです。
これは速く抜いた方が逆に刀身が安定して鞘内部に当たりづらくヒケ疵が付きづらい為なのですが、先に挙げた所作が出来ない内にこれをしてしまうと、鞘内部に刀身が当たり、抜くスピードも相まって刀身に大きなヒケ疵を付けかねないので早い姿がかっこいいからという理由だけで早く抜かないように注意しましょう。
最初はゆっくりの方が良いかと個人的には思います。
②鯉口を切るときと、刀身を納める時の所作はゆっくりと
刀剣商の方も全ての所作を早くしているわけではなく、ゆっくり行う所はゆっくりと行っています。
それが鯉口を切る時と、鞘に刀身を納める時です。
早く行っている所は抜く時だけですのでその辺りもよく見てみると勉強になるかもしれません。
・終わりに
という事で非常に勉強になる動画でしたので、繰り返し見て一つ一つの動きを細かく真似てみると長い刀でも安定して抜けそうになりそうです。
私も3尺の刀が抜けるように頑張って練習します!
今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑
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