刀がある空間の独特の空気感について
日本刀がある空間というのはどことなく少し空気が変わる気がする。
美術館にしても展示会にしても、刀がある空間を訪れると少し違う空気感を感じた記憶が昔からある。
私自身が刀が好きだからというのもあるかもしれないが、家に刀を飾っているのを見た友人や知人が一瞬言葉を失う瞬間を見たりしていると私以外にも何かしら独特の空気感を感じているようにも思える。
例えば古美術品やアートの展示会を見に行った時の空気感。
写真で伝わるかは不明であるが…。
物を見る中で「静」や「動」という感情が入り混じり、想像力を掻き立てられる。空間自体にも色があり心が晴れるようなワクワクするような感じを個人的には受ける事が多い気がする。
一方で日本刀の展示など、刀のある空間に行った時。
布の色は赤や青、黒など様々だが、共通してどこか緊張感があるというか、ピリピリした空気感を感じる。
これはやはり刀身そのものの存在感が大きいからだろう。
刀身に細かな色味はあれど、大まかに言えば銀に白い刃文。
ライトにより光輝く刀身に唯一の色味は拵くらいか。
先日、日本刀文化振興協会の方と刀のある空間の「空気感」について話した事がある。
ただの刃物としての緊張感であれば、デパートなどで包丁の展示を見た時にでも同様の緊張感を感じるはず。
しかし不思議とそれは感じない。
包丁は日常的に良く見るものだから緊張しないのか?
でも私はこの3年間毎日刀を見ており、恐らく包丁と同じかそれ以上に刀を見ている。
部屋に刀を展示しているので嫌が応でも毎日刀を見る。
確かに初めて刀を持った時に比べれば遥かに緊張はしないわけで、これは「慣れ」かもしれない。しかしそんな今でも刀の展示会場に行くと今回書いたような独特の空気感を感じる。
話を聞くと皆さん似たような事を感じられていらっしゃる方が多いようで、どうも日本人には遺伝子レベルで何か刀を見る事で感じる事があるのではないか?という事を話し合った記憶があります。
刀は武士の魂とも言われているように、昔から戦で使用するだけではなくて何か精神面との強い結びつきがあるのかもしれません。
とは言え精神精神言って不思議な方向にいってもどうかと思いますので、あくまで刀は刀。見る人によって感じ方も捉え方も変わるただの物であり、刀自体には何も無いとは私自身は思っています。
空気感についても何も感じない人も当然います。
それが良い悪いでもないのですが、不思議な感覚だなと思ったので書いてみました。
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)
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