成木鐔⑦「胞山」銘について。まさかこんな形で鐔の真相知ろうとは
先日大刀剣市で成木鐔を多数出品しているお店(恵那秋水会さん)を発見。
尾張写や柳生写、金山写、京透かし写など多数の作が並んでいた。
私自身も成木さんの「鉄鐔にとことん人生を捧げた作家としての生き様」が好きで、中でも主に信家写しの作をコツコツ集めている。
この恵那秋水会さんは成木さんの住んでいた場所のすぐ近くにお店があるそうで、店主の方は生前成木さんとも交流が多々あったと言う。
大刀剣市の会場で、信家写しの作はありませんか?と尋ねてみたのですが、その時は残念ながら無く。
そして先日、速達で一通の手紙が。
そこには信家写しの成木鐔が所蔵家の方から入ったとの連絡が。
大刀剣市は大多数お客さんがいらっしゃったはずにも関わらず、私の何気ない一言を覚えて下さっていたのは驚くと共にとても嬉しく…。
封筒を早速開けると鐔の写真の他、成木さんの生前の写真が同封されているではありませんか。
そしてそこにはなんと見覚えのある鐔が…!
おや、この鐔は…。
そう今年購入した甲冑師写しと思われる鐔です。
胞山は成木さんの号で、少なくとも平成7年と9年の作に「胞山」と銘をきったものは確認しています。(詳細はこちら)
この胞山銘については私の中でも研究材料の1つにしていたのですが、今回写真に似たようなものが映っており、やはり成木さんによる鐔である事を確信しました。
因みに成木さんは1つのデザインを2~3枚ほど作るらしく、似ているだけの物の可能性もありますが、例えば同じデザインでも透かしを微妙に変えたり、耳の造り込みを変えたりと変化を持たせています。
色々作る中で良いバランスを探っていたのかもしれません。今回の写真は見るからに耳の形も同じなので、映っているものだと信じたい所。
それにしても成木さんの鐔は相当数存在していると思いますが、尚そのデザインの2~3倍数があると思うとその製作数に驚かされます。
尚、成木さんが亡くなって2年、住まれていた家は既に廃屋となり、工房や炭焼場は取り壊されてしまっているようです。
成木さんに出来れば生前にお会いしたかったものの、今は叶わず、しかし交流の深かった方々から色々とお話を聞けるのは嬉しいです。
そして成木さんの信家写の鐔は果たして何枚くらいあるのか。
そしてまだ見ぬ金家写の鐔はあるのか。
あるなら是非欲しいところ。
以下の信家写も是非欲しい1枚。
もしお持ちの方で手放そうと考えていましたら是非ご連絡お待ちしています。
…こういう事をブログに残しておくといつか本当に縁がありそうな気がしまして。
そんな事を考えながらまだ見ぬ成木鐔との縁を求めて今日の話はこの位で。
今回も読んで下さりありがとうございました!
面白かった方はいいねを押して頂けると嬉しいです^^
記事更新の励みになります。
それでは皆様良き御刀ライフを~!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)
「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。