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就活で刀趣味を話すべきか?
就職面接…
もう今から13年も前の話になってしまった。
当時面接で「趣味は何ですか?」とか「休みの日は何をしてますか?」という質問は良くされていたと思う。
遠回しでつまらない質問するななどと思いながらもその質問の意図が分からないわけではないので答えていたが、なんと答えていたかまでは覚えていない。まぁ、とって付けたようなその程度の趣味をそれっぽく語っていただけなのかもしれない。
今は私にとって日本刀がそれ以外の趣味を超越する程に大好きになってしまったので、趣味は何ですか?なんて聞かれたら質問の意図など度外視して延々と語ってしまいそうな感じではある。
「趣味は刀を鑑賞する事ですね。優美な踏ん張りのある腰反り姿で小板目肌に小沸がついて、小足や葉の入った直刃調の刃が凛としていてそして冴えてるんですよぉぉぉ!もうたまらんっ!!」
なんて言ってしまった暁には完全に面接官放置である。
そういえば、先日Twitterで就職面接で日本刀が好きという学生は危なく聞こえそうだから言わない方が良いと言われた、というような意見を見た。
確かにその通りかもしれないと思った。
日本刀は興味のない人からすればただの武器であり刃物なのだ。
刀と言えば人を多く斬っているイメージを持たれているのが大半なのだ。
そんなイメージを持たれている物を夜な夜な鑑賞しているような人を「この人大丈夫か?」と思うのも無理はない。
そういえば以前Mrサンデーに推し活と題して出演させて頂いた時、ネットには「夜な夜な刀を手に持って鑑賞しているとか怖すぎる。犯罪者予備軍。この人将来人こ〇すぞ。家庭内事件起こるぞ」みたいなコメントで溢れかえっていた。
自分自身が夢中になっていると気がつきづらいが、世間一般的な感覚でいえば刀とはまだまだそういう存在なのだろう。
テレビ見てくださった方ありがとうございました🙇♂️
— 刀箱師 | 中村圭佑 | 展示ケース作家 | 刀とくらす。 (@katana_case_shi) April 18, 2021
刀にはまって刀の展示ケースを作る人になりました!
刀の良さを広めたく毎日ブログやSNSで発信してます。
刀所持に免許は要りませんし、家の中で刀を見る事も何ら違法ではないです。
刀は絵と同じく美術品で愛刀家は刀を大事に扱ってます#Mrサンデー pic.twitter.com/Ha8WEvfahQ
という事で就活で刀趣味を話す時はまず刀を美術品として見る世界があることを知ってもらう必要があるだろう。
面接官の頭の中には武器としての日本刀しか存在していない可能性は高い。
話はそれからだ。
一番手っ取り早いのが実際に刀を手に取って見てもらう事だが、面接の場で刀どうぞ、なんて事をしたら下手したらYahooニュースに載るかもしれない。
流石に無理だ。
じゃあどうするか。
結論から言えば、個人的には出来てもせいぜい「刀を鑑賞する」という世界があることを伝えて、そこから自分自身の価値感や物の捉え方がどう変化したかを語るくらいまでしか出来ないと思っている。
少なくとも「刀が美しい」という話を実物無しに伝える事はほぼ不可能である。これは私の経験則。
雑誌やらの取材を受ける時もまず刀を手に取ってもらった方が圧倒的に話が盛り上がる。
刀を手に取って見た事が無い人に、「刃文の中には幻想的な世界が…とか、地景は木の木目のようで…」なんて説明しても段々眠くなっているのが顔から分かる。
どんなに言葉で語っても物の良さは10%も伝わらないのだ。
そして面接官の年齢にも目を向けてほしい。
特に1次面接官は20~30代の人が多いだろう。
この年齢の人は美術品を楽しむ人が圧倒的に少ない。
正確には楽しめる余裕がない。
私自身も34になり、周りでは人事で採用担当をしている人も何人かいるが、そういった人と話していると自分の仕事やら育児やらで日々忙殺されている人が大半。
なので休みの日に美術館に行って美術品を見る人や、ましてや美術品をコレクションして嗜むような人は殆どいないのだ。
もし偶然にもそういった人が採用担当であれば話は凄く盛り上がるだろう。
しかし確率論としてそういう人達に美術品の良さを語っても刺さらない事が多いのは明白。
刺さらないというか美術品を楽しむ楽しさが分からないのだ。(掴みは充分だろうが)
面接という限られた時間で広がらない話をしてもしょうがない。
それが想像されるので刀が趣味である事を伝えるのはなかなかに困難だと思う。
しかし一方で社長面接なら別だろう。
社長は自分の知らない世界に興味を持つ人も多い。
刀鑑賞が趣味という学生など1万人に1人もいないだろう。
多くの人が「刀鑑賞?!」と興味を持つはずだ。
周りの大多数の学生が趣味は読書です、とか映画鑑賞です、とか言ってるやつらに一発かましたら良い。
趣味は「日本刀を鑑賞する事です」と。
日本の昔の文化に触れて大切にすることは、面接官を含め殆どの人がする事の出来ないとても素晴らしい趣味だと思う。
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)