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日光二荒山神社「名刀 御神宝」展
見落としており今更ながら知ったのですが、日光二荒山神社にて「特別展 名刀 御神宝」展が2/28まで開催中だったようです。
あと4日で閉幕…。流石に行けません…。
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ところで「社家御番所日記から見た東照宮の刀剣 記:辻本直男」を見ると、刀剣を多く保管する神社は大体2つのタイプに分ける事が出来るそう。
①広い地域に渡って豪族達が奉納したものからなるもの
(熱田神宮、談山神社、厳島神社、大山祗神社、二荒山神社など)
②徳川将軍家からの奉納品によるもの
(伊勢神宮、日枝神社、東照宮など)
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という事は今回の二荒山神社で言えば豪族たちによる奉納品が多いのでしょうか。
まだ映像ベースでしか見れていないのですが、驚いたのは鉄鎺らしきものが付いた刀剣がかなり多く展示されていそうという事。
特に国宝指定の倫光大太刀は打卸と言えそうな完存状態で残っており、こちらにも鉄鎺。
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そして言わずと知れた巨大太刀、祢々切丸。
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こちらにも巨大な鉄鎺が付帯しているようです。
祢々切丸 のハバキ
— 鉄芸 (@tetsugei) May 23, 2019
私、男性の中でも手はデカイ方ですがこのサイズでずっしりと重いです pic.twitter.com/3rOY4d8kxh
以下の2振などは南北朝~室町頃と思われる拵まで現存しています。
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以下は鎺の現存不明ですが、貴重な生部姿を残した抜丸。
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以下の5振の薙刀も鉄鎺っぽく見えます。
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以下なんかは薙刀鐔も残っており、鐔を鑑賞する上でも非常に参考になりそうです。
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という事でこの展示は「鉄鎺」の形態を追う上でもかなり参考になりそうな展示会に思うのです。
鉄鎺の付帯した刀がこれだけ一同に並ぶというのはまず神社以外ではまず見れません。神社でも一部ではないでしょうか。(言い換えれば奉納刀くらいにしか鉄鎺は付帯していないとも言える)
それだけ鉄鎺は貴重というかレアであり研究が進んでいないジャンルの1つでもあり、鎌倉時代や南北朝時代の刀装を探る上でもヒントになりえると思うのです。
鉄鎺は鑑賞会でもまずほぼ見れないので。
という事で「これは行きたい!」と思ったわけなのです…。無念。
まぁまたいつかある事でしょう。
しかし1つ嬉しいのは図録がネットで買える事。
鉄鎺の写真がどれだけ載っているか不明なのですが期待しつつ購入。
届くのが楽しみです。
こちらからWEB注文出来るので興味ある方はどうぞ。
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今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き刀ライフを!
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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)
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