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久々に目白の飯田高遠堂さんへ

今日はバレンタインですね。
バレンタインの定番といえば鐔。
大事な人に贈るなら鐔。
もし弾丸が飛んできたとき、刃物で切り付けられそうになったいざという時に、胸ポケットに忍ばせておくと大切な人を守ってくれるかもしれません。
チョコやクッキーではそんな時には役に立ちません。

という事で今日は久々に目白にある刀剣店、飯田高遠堂さんにお邪魔させて頂きました。

店内には刀装具や刀が店内一杯に並んでいます。
店内は撮影可という事でいくつか撮影させて頂きました。

桃山時代の名工、信家の龍が彫られた鐔。
龍の彫られた信家鐔はとても珍しい気がしますが、龍の様相がまた後藤家や埋忠のものとは異なり興味深いです。
絵画的な影響を受けているようにも感じますが、この辺り龍のデザインから信家の製作年代などを推定したりも出来たりするのでしょうか。


続いて時代の上がりそうな大ぶりな古甲冑師鐔。
透かしは蝶に見えましたがどうやら鳥のようです。確かにくちばしらしきものが見えて時計回りに飛んでいる様子が見て取れます。
なんだか微笑ましいですね。

鹿が高彫された可愛らしい鐔。
表情に丸みがあり見ていて安らかな気持ちになってきます。
全体的にこのような技巧的な鐔は時代が下がる(新しい)傾向があり、この鐔も江戸中後期あたりの作でしょうか。

金象嵌で又七と書かれた鉄質の良い又七の特重指定鐔。
値段も2200万円と凄い…。


店内には現在足利市で開催中の山姥切国広展の図録もありました。
足利はちょっと行けないけど図録欲しい…という方は寄られてみても良いかもしれません。
しかも山姥切国広と本作長義の実寸サイズの押形が付いていたなんて…。


山姥切国広展凄い混んでそうで行くの躊躇してましたが、図録見ると行きたくなってきますね…。
そして家に戻りめくってみるとなんと本作長義と山姥切国広の現寸押形載っていて胸熱。想像以上に豪壮でした。
写真にはモザイクかけていますので気になる方は是非図録を買ってお楽しみください。


ところで店内には堀川一門の国安の重要脇差もありました。
国安は正宗などの偽物作りをして破門になったという説を持つ刀工ですが(しかも刀工には珍しい左利き)、1振重文に指定されている作の出来は感動物でそれを見て以降国安という刀工の見方が変わったのでした。
この脇差には新刀には珍しく葵紋の鎺が付けられています。

他にも沢山の刀や刀装具を拝見させて頂き気が付けばあっという間に2時間ほど経っていました。
刀屋さんに来ると1時間が10分位に感じてしまいます。

あと現在山姥切国広展に展示中の山伏打ちの重要刀剣も売りに出ているのを先日HPで見つけたので聞いて見たところ、まだ主は決まっていないそうでした。山伏打ちはこれ以外だと重文指定の山伏国広しかないのでそうした意味でもとても貴重です。
こうした名品は果たして国内に留まるのでしょうか。それとも海外へ?
国内の資産家の方ぜひ日本に留めておいてもらえると個人的には嬉しいです。登録証も外されなくて済みますので。


尚、店内には製作した刀展示ケースも置いて下さっています。
現在は金田國真さんの華やかな丁子の作を展示くださっているので行かれた方はこちらも是非ご覧ください。


今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き刀ライフを!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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