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コンプガチャを経ての刀趣味

課金ゲームの闇深い話も含めて。

私は昔からゲームにはまりやすい性格だったように思う。
特にガチャというランダム性を伴うものにはとりわけ嵌りやすい性格だった。
このガチャというシステムの先駆けはGREEの「ドリランド」というゲームであったような気がするが、私はそれよりも2010年ごろ社会人になり立ての頃にブームであった「海賊王コロンブス」という同じくGREEが手掛けるポチゲーに嵌った。
当時CMでは福山雅治さんを起用し大々的にTVでも宣伝されていた。
このポチゲーという表現が正しいのかは分からないが今のスマホゲームの様にリアルタイムでスムーズ流れで楽しめるゲームではなく、画面上のボタンをポチポチする事で画面が切り替わっていくようなゲームで、今同じように楽しめる自信はないが、当時は自分のアジト強化したりする装備品、それを守る海賊キャラなど、より強い物がガチャでゲットできる仕様に夢中になった。
正確に言えば強い物はガチャでしかゲットできないという仕様に見事に踊らされた。

当時のアジト。なんと久々にログインしてみたらまだサービスが稼働していた。笑
14周年らしい。


当時はコンプガチャという今では問題となり違法とされるシステムが稼働していた。
これはガチャを回し、例えば表示されたアイテム6個を全てゲット出来たタイミングでコンプ賞として目玉アイテムが付与されるというシステムである。上の私の「課金アジト」はそんな当時の負の記憶が鮮明に思い出される画像で見ていて苦しい。

コンプガチャの何が問題か、勘の鋭い人は直ぐに分かるかもしれないが、例えば6個のうち5個は比較的容易にそれこそ1万円位で集まるのである。(今では1万円も!という感覚だが既にこの当時には感覚が鈍っている)
問題は最後の1つ。
最後の1つがとことん出ないのである。
どれだけ酷いかと言えば、当時のボーナス(30万程だったか?)がほぼ無くなる位であった。
1回3000円のガチャを100回近く回すのだからこれが如何に発狂したいレベルの出来事であったか想像頂けると思う。
端から見たら理解出来ない行動に映るかもしれないが、最後の1枚が出た時のドーパミンの出方が恐らく尋常ではないのだろう。ギャンブル依存症の人と同じような状態ではないだろうか。
今ここでやめたらそれまで掛けてきたうん十万円という額が全て無駄になるという気分になり、最後の1つを引くまで辞めることは出来ない。

更に厄介な事にゲーム上で他のプレイヤーとグループを組めた。
つまり海賊団のようなものを結成でき、その中でコミュニケーションを取れたのだ。
グループというのは厄介でゲームから抜け出しづらくさせる。
それも無意識に。
プレイヤー同士で協力する構造が出来上がるし、気が付けばそこが第二のコミュニティの場になる。
更にのめり込む人はそこが第一のコミュニティの場になるだろう。
故に皆画面に表示される自身のアバターにも凝り出すし、レアな服を着せたりしようとする。勿論これにもコンプガチャが存在する。
今思えばなんという世界だろうか…。


その後パズドラなどの登場で徐々にこのGREEのゲームからは離れ、無課金で楽しむようになったものの、阿保だった私は50万円近くの額を積んでようやく分かった事がある。
ゲームは課金すれば何でも手に入るし時間をかければその分強くなる。
更新の度にどんどん強いキャラやアイテムが登場し、強さがインフレする。
キリがないし大体1年前に手に入れたキャラは当時最強でも大体ゴミ化している事が多い。
更に運営がサービス終了しますと言い出すような事があれば今までの課金とかけてきた時間が全て水泡に帰すという大きなリスクがある。
ゲームのアイテムを換金できない以上は資産価値もないし救われない。
ゲームの知識はリアルな世界で何の役にも立たない。

この当たり前の事実にとことん冷めてしまった。
故に今はゲームをする場合も「無課金で目玉アイテムを引き当てられるか」という運要素を気が向いたタイミングで楽しんでいる位だろうか。
仮に目玉が引けても特に時間はかけず放置。
いわばおみくじ的な感じとして使っている。

その分何に時間をかけているかと言えば刀趣味なわけで、こちらは刀や刀装具で琴線に触れるものが無いかを日々探したり、展示ケース作りを通して同じ趣味を共にする人に出会っている。
こちらも色々ある世界であるが、同時に歴史に触れる事でもあるので知的好奇心が満たされて面白い。

興味のない人からすればゴミと同じと言われるかもしれないが、何かを蒐集している人というのは大体そんな自分の好きな物に囲まれる楽しさというものを追及しているのではないかと思う。
昔はそれがゲーム上のアジトであったりキャラクターであった。
それが今は刀であったり刀装具、はたまた現代アートとなった。

お金を使っている事は変わりはないが、当時のようないつ目当てのアイテムが出るか見えない出口を模索しイライラする事もなく、触れられる物が周りに増えたり、作家の方や同趣味の方達との交流が増えたり、幾ばくか教養が増えたりなどもする。

なので同好の士に会っても仕事の話はほぼしない。
寧ろ仕事の話を聞くと貴重な時間を私との話で潰してしまうようで申し訳ないという気持が先行してしまいそうなので知らない方が自分自身の為でもありそうである。
そんなこんなで今はなかなか楽しいお金の使い方が出来ている気がするのである。

とはいえゲームが嫌いなわけでもない。
ただ今後私自身がゲームにのめり込む可能性があるとすれば、アイテムを換金出来てそれこそゲームで生活が成り立つような世界が生まれた時だろうか。
ゲーム空間には全世界で1つしかない超レアなアイテムが存在し、それがゲーム内のどこかのマップに落ちている。敵からドロップするかもしれない。
手に入れられる可能性はそれこそ宝くじに当たるような確率だが無課金でも手に入れられる。
そのアイテムはゲーム市場で5億円程の価値で取引され、ゲーム通貨は様々なゲームで横断出来る。勿論いつでも日本円にも換金が出来る。
そのようなゲームが登場したら久々に少し手を出してみるかもしれない。
その流れは既に6~7年程前から出来つつある。

ただそこで得たお金を何に使うかと言えばやはり刀や刀装具になりそうで。
最後の趣味はそちらに行きつきそうです。
という事で特に課金ゲームの否定をしたいわけではなく、ストレスを抱えることなくリアルの生活が充実出来るお金の使い方が出来るのが一番と今は感じている次第です。

2010年当時のアバターも残っていました。圧倒的厨二病感…笑


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それでは皆様良き刀ライフを!

刀や刀装具を探し求めているとある時不思議な事が起こるものです。
以下はその実体験記。

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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