見出し画像

「卓上刀箱二段」をお納めしてきました

他の展示ケースの製作の合間を使いながら半年ほどかけてコツコツと作っていた卓上刀箱の新作が遂に完成したのでお納めしました。
お納めするまで作った展示ケースが気に入って頂けるかとても緊張します。
特に今回は新規設計という事もありお待たせしていた時間も長く、また展示する場所についても事前に現場確認させて頂いた上での設計だったので空間に合わない物を作るというミスが許されません。
設計面でも決められた予算内で如何に失敗せずに作るか、こういった制限もあり緊張します。(刀を作る時の火入れみたいな感じでしょうか。失敗すると材料費がまるまるパーになるので緊張します)

結果から言えばとても気に入って下さいました。
本当に良かった。。
という事で全てが終わり安堵した様子が以下です。

今回の展示ケースは卓上サイズで刀身の大小や拵、両方飾れるようになっています。
それぞれ展示してみた様子の写真を掲載していきます。
因みに刀身は宮入小左衛門行平刀匠の作で、拵もこだわりと現代刀職の方々の技術が詰まった逸品でした。

①拵の大小を飾った様子

飾って頂いた場所は社長室です。
椅子に座ると丁度拵や刀身を間近で見る事が出来ます。
打ち合わせ前などに刀のネタに盛り上がると嬉しいです^^


②刀身の大小を飾った様子



③拵と刀について

説明書きが用意されていましたので、そちらを貼らせて頂きます。

宮入小左衛門行平刀匠については以前記事に書きましたので、よろしければこちらをご覧ください。
相州伝を得意とされ、今回展示頂いた刀も地景が美しく入り、南北朝期の力強い体配で志津を写したような感じが伝わってきてとても覇気があります。
大小の大の茎には「不撓」、小には「不屈」の文字を切って頂いたとの事で、大小が揃うと「不撓不屈」となります。
なんと粋!!!

拵は江戸拵と称される拵を忠実に再現したとされる大小拵。
目貫や縁頭と呼ばれる刀装具は宮入刀匠の所蔵品で室町時代の物を付けているとのこと。
非常に拘りの詰まった大小拵でした。

刀に詳しくない人からすれば拵は1人の人が作っているように思うかもしれませんが、実際は以下のように沢山の職人さんが携わっています。
そうそうたる名前が並んでいてビビる。


④終わりに

新規設計は楽しい反面やはり神経がすり減ります。
壁にぶち当たる事も多いですが、全て終わって喜ぶ姿が見れた時は作って良かったと心から感じます。
これは新卒でゲームメーカーに入社し、自身が製作に携わった製品が初めて世の中に出た時から同じことをずっと感じます。
モノづくりの楽しい所は10年以上自分の中で変わっていないのかもしれない。
でも今の方が喜ぶ姿を間近で見る事が出来るのでやりがいがあります。
刀展示ケース作りを通して刀が好きな者同士、刀について談笑し合える日がずっと続くと嬉しいです。


今回も読んで下さりありがとうございました!
面白かった方はハートマークを押して頂けると嬉しいです^^
記事更新の励みになります。
それでは皆様良き御刀ライフを~!

よろしければ以下もご覧ください。

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?