刀所有にあたって基礎的な話をざっくりと
フォロワーの方が少し増えたのと、最近このnoteがマニアック寄りになりすぎているような感じもしたので今回は刀って買えるの?所持は違法じゃないの?と思われている方向けにざっくり刀の所有についてお伝えします。
①日本刀の所有に免許はいらない
日本刀の所持に免許は要らない(そもそも無い)ですし、普通に買えます。 ネットで「日本刀 販売」と検索すれば沢山出て来るくらいにネットでも簡単に買えるくらいです。
買ったら所有者変更のハガキに住所や名前を書いて出したらそれで手続き終わりです。ネットで出来るところもあります(購入後20日以内)
(発見届とは別です。今回は刀の購入にフォーカスを当てるので、この話はややこしくなることもありここでは触れません)
②日本刀っていくら位で買えるの?
傷だらけの取りあえず刀の形をした安いもので数万円、傷の少ない鑑賞を楽しめる刀は大体40万円以上します。
さらに傷の無い綺麗な刀が欲しければ100万円以上、注文して現代の方に作ってもらうなら大体150万円以上(人によって様々で、経験の若い刀匠であれば150万円前後、最上位の技術を持った刀匠の作であれば500万円以上します。居合用として数十万円程で安く作られている方もいます。)
歴史ある日本刀の中でも最高峰のものになると基本的に1000万円以上し、国指定の重要美術品以上はある程度刀趣味をしていると段々分かってきます。
基本的に2000万円以上ですが高い物になると1憶を超えます。
でも最高峰のクラスの刀はお金だけあってもなかなか買えないです。
売る側も選ぶ為です。
長さによっても値段は変わり、刀を100とすると、短刀は50、脇差は30位です。 値段はあくまで目安なので作者や状態によっても上下します。
刀は一点物なので値段はあって無いようなものです。
故にとりあえず良い刀を安く買ってみたい方は脇差がオススメです。(こちらにより詳しく書いています)
昔以下に値段ごとに買える刀についてまとめているのでもしよければご覧下さい。(但し執筆時点での値段ですので今は若干変わっているかもしれません)
③最近の刀の値段について
刀は昭和時代にバブルがあり、今の3倍以上の値段で取引されていましたが、バブル崩壊後値段が下がり続けていました。
最近は円安の影響で値上がりするものとしないものが両極端に分かれている印象です。
良い刀は海外に流れています。
しかし本当に良い刀はまだ日本の愛刀家が所蔵しています。
しかし高齢な方が多いので今後引き取り先がいなければこうした刀も海外に流れる可能性はあります。(なので私としても日本の若い人にもっと刀に興味を持ってもらいたいです)
あと初めて買うなら刀剣店で買わないと偽物や変な加工された物をつかむ恐れが非常に高いので気をつけてください。
④鑑定書について
日本刀は他の古美術品と異なり、公益財団法人が発行している鑑定書が付いている事があります。
信頼出来る鑑定書は日本美術刀剣保存協会が発行している「保存刀剣」、「特別保存刀剣」、「重要刀剣」、「特別重要刀剣」のみです。
初めて刀を買うならこれらが付いたものを買いましょう。
でも鑑定書が偽造されている場合もあるので、やっぱり刀剣店で買いましょう。
慣れて大海に飛び込みたい人は自己責任でヤフオクなども良いかもしれません。 ただ海なので溺れる事があります。
正宗や虎徹、村正といった有名な刀がヤフオクで手に入ることはまずありません。大事な事なのでもう一度いいます。
まずありません。
本物であれば刀剣店で10倍の価格でも売れるためです。
⑤管理方法について
決まりは特にありません。
刀身のみの場合、湿度は60%以下で保管するのが望ましいです。
拵がある場合は40~60%が良いです。湿度が低すぎると漆が割れ、高すぎるとカビが発生する可能性がある為です。
湿度がこの範囲に収まっていないからといって直ぐに異常が発生するわけではないので安心してください。
白鞘に入れて保管する時は油を刀身に塗り、半年に1回位塗り替えてあげると良いです。1週間に1回以上の頻度で白鞘から抜いて鑑賞する場合は油は塗らなくてもマイクロファイバークロスなどの柔らかい布で拭ってあげるだけで大丈夫です。
そのほか結露しやすい窓の近くや、潮風のある海の近くは錆びやすいので気を付けてください。防虫剤は絶対ダメです。すぐ錆びます。
部屋に飾る事も出来ます。(宣伝するつもりはないのですが、宣伝ぽくなって申し訳ないです)
⑥終わりに
日本刀は免許がないと持てないと誤解している人は多いですが、実は購入や所持のハードルがとても低いです。
金額のハードルはありますが、何百年と経てきた文化財なので当然と言えば当然ですし、現在作られる刀も1振作るのに1年以上かかります。
そう考えると値段は当然そのくらいだよな、という気もします。
そして何より、やっぱり日本刀が家にある生活は良いですぞ…!
今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き刀ライフを!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)