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「振袖茎」の形の理由
以下のように先が少し曲がっている茎を「振袖茎」と呼びます。
主に鎌倉時代の短刀に見られる形状です。
今まであまり疑問に思っていなかったのですが、よくよく考えてみるとなぜ最後急に沿っているんだろう?と疑問。
急に反らずに最後まで真っすぐなものも沢山あります。
なぜ鎌倉時代に振袖茎という形状が存在しているのか?
「寒山刀剣教室 著:佐藤寒山」を読むと書いてありましたので紹介します。
・振袖茎は馬手指用?
(画像出典:コトバンク)
馬手指(めてざし)とは上の図のように、右の腰に帯びるものです。
組討ちなどの際に左腰に差していると自分と相手の体が邪魔で刀が抜けなかったり、相手から刀を抜き取られない為に、右腰に差していた方が直ぐに抜く事ができるなど都合が良かったと考えられているようです。
実際、馬手差しは組討の時に非常に抜きやすいのです
— 左近大夫☆浜次郎 (@sakone_shogen) May 20, 2018
組手の間合いまで接近されると、左腰に差した短刀は自分と相手の身体が邪魔で抜けない上、相手が手を伸ばせば簡単に抜き取られる可能性もありますからね…!>RT pic.twitter.com/aXgAIunmTj
そしてこの際に刃を上にして帯びるわけですが、咄嗟に握る際に真っすぐな柄よりも、少し曲がっていた方が具合が良かったようです。
「寒山刀剣教室」にも記載がありますが、振り袖茎が時代と共に無くなるのは、馬手指の必要が無くなった、つまり戦場での組み討ちが無くなった事を物語っているようです。
説得力があります。
何が面白いかって、茎の先がちょっと急に曲がっているという所から、ここまでの背景を考える事が出来るということです。
機能を追求した日本刀、無駄な部位がなくシンプルに洗練された形状であるからこそこのような考察が出来る。
日本刀の奥深い面白さだと思います。
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