「令和の刀 明治の拵」展レポ
6/1~6/6まで東京日本橋三越本店にて開催中の「令和の刀 明治の拵」展に行ってきましたのでそのレポです!
現代刀職の方によるデパートでの展示販売会というのは実は毎年定期的に行われています。
過去に私が行ったものだと、「お守り刀展」であったり、「宮入小左衛門行平一門」展、「古刀の景色と現代刀の挑戦」展などがあります。
①展示概要
現代を代表する以下7名の現代刀匠による刀、華やかな明治期の拵が一堂に集まった展示会です。なんと無鑑査の方が5名も。
無鑑査になるには数多のコンクールで特賞などを何度も受賞しなければならず、認定されるのはほんの一握りの刀匠の方しかいません。
それが今回なんと5名も…これは凄い事です。
②展示品
※許可を頂いた上で掲載しております。
拵は撮影不可との事でしたので、行かれる方はご注意ください。
・吉原國家さん
・大野義光さん
・三上貞直さん
・宮入小左衛門行平さん
・久保善博さん
・明珍宗裕さん
・河内一平さん
③物販コーナー
個人的に凄く気になったのがこちらの模造刀。
無鑑査刀匠の久保義博さんによる作で、恐らく模造刀とは思えない隕鉄を使用したようなその地景は今までの模造刀にはないまさに最高峰の品質。
玉鋼ではありませんが、古鉄を混ぜて作られた物と思います。
当然刃は付いておらず切る事は出来ません。それ故に登録証も不要なので本物の刀が欲しいけど真剣は家族の反対があり買えない…という方にとってこの模造短刀は間違いなく家宝になる事間違いなし。
刀を持っていても思わず欲しくなる品。
良いなぁ…欲しいなぁ…。
その他にも小刀や文鎮、銘切プレートなどもあります。
④終わりに
展示会終了後、なんと河内一平刀匠と明珍宗裕刀匠、刀文協の方々のお食事に同行させて頂きました。
なぜ刀匠を目指されたのかや作刀時の工夫点や苦労した点など、直接お聞きする事が出来たのはとても良い経験になりました。
例えば明珍さんの短刀について、会場で拝見させて頂いた際に茎の外周の面取りを少し深めに取られていたり、鑢目が通常よりも浅めに入っているように見受けられたので意図的にそのようにされているのですか?とお聞きしたところ、鎺(はばき)を脱着する際に鑢目が深いと、それにより鎺が削れてしまう事を懸念されたようで、物を大事にされる姿勢にとても感動しました。
またこれからの日本刀の在り方など、未来を見据えたお話も出来て将来がとても楽しみです。
皆さん色々な事を考えられていてとても刺激を頂けました。私も刀の展示ケース製作を通して、「刀とくらす」文化を世の中に浸透出来るようにこれからも頑張ります。
展示会会場には現代刀匠さんも毎日在廊されています。
作品を前に実際にそれを作られた方と実際にその作についてお話出来る機会というのはとても貴重なもので、まさに現代刀の特権とも言えるかと。
河内さん、明珍さんお二人とも是非色々な方に来てほしいと仰っていましたので、刀養分が足りない方、日本橋三越本店に行かれてみてはいかがでしょうか^^。
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)