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刀展示ケースのポスターを新調しました

刀展示ケースのポスターを作り変えてみました。
「刀とくらす。」という製作コンセプトを中心に入れて、写真はその様子が分かるような愛刀家の方の御宅写真を借用させて頂きました。


現在日本刀は暮らしの中から殆ど姿を消してしまいました。
友人や親戚などの家を訪ねて日本刀に出会った事のある人は果たしてどの位いるでしょうか。
ほんの150年前までは多くの日本人が肌身離さず持っていたのに、凄い時代の変化です。

すっかり身近な物ではなくなってしまったので、今の時代に刀なんて必要ないという人が多いのも理解出来るのですが、一方でそんな刀は350万振も現存していると言われています。
武器として必要なくなった時代でもそれだけの数の刀がまだ残っているというのは、やはり先人達が後世に残すべき物として刀を大切に残してきたからだと思うのです。

刀は平気で400年前の物が綺麗な状態で残っています。400年前というと大体関ケ原の戦いが終わって江戸幕府が開いたあたりの徳川家康の時代です。
古い物だと1000年前の平安時代のものなども残っています。
同年代の他の美術品と比較した時に、如何に刀が状態良く残っているか驚かされます。

400年前の刀でも1人あたり10年持ったとして40人の手を渡って今に至っている事になります。
様々な時代背景がある中でそれだけの人が綺麗な状態でその刀を残してきたというのは奇跡とも思えるのですが、きっとこれだけ多くの刀が綺麗に残っているのはやはり奇跡ではなく「日本人の気質」ゆえ、だと思うのです。

そうした先人達が遺した物を一時の時代の変化、それもこの150年あまりだけを見て不要なものと決めつけるのは少し早計かなと思います。
しかし一方でそう考えてしまう人が多くなってしまったのは、刀がこの150年で私生活から離れすぎてしまった事が一番の要因だとも思うのです。

「刀とくらす」というコンセプトの中には、「刀を美術品として鑑賞する」という従来通りの楽しみ方を、今の時代に合わせて誰にでも分かりやすい形に変換することで、刀の良さや魅力をより多くの人に気付いてもらいたいという思いがあります。

刀箱師としての活動は6年目になりましたが現在60名を超える方にケースを使用頂けるまでになりました。そうした思いに賛同頂ける方がここまで増えるとは6年前は想像もしていなかったですし、とても嬉しく有難い事です。

家に刀を飾るという事はその愛刀家の方の家族や友人もその刀を見る事になるので、実際はこの何十倍もの人が刀の魅力に気づく可能性があります。
そして、物を大切にするという日本人の気質はそう簡単に変わるものとも思えません。
きっかけさえあれば刀を大切に残していく人は増えると思うのです。
この輪を広げていくことをきっかけに、刀の鑑賞という文化、ならびに美術品としての刀、を身近な物にしていければと考えています。


今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き刀ライフを!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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