見出し画像

名品を手に取った時に感じる事

どんな刀にも歴史があり尊重すべきだ。←正しい
国宝や重文でなくても名刀はある。←正しい
名刀は美しい。←正しい
自分が美しいと思える刀がその人にとっての名刀だ。←正しい
刀は美しい。←ものによる
刀はどれも美しい。←?

という事で綺麗ごと無しに言えば、全ての刀が美しいとは私は思いません。
しかしどんな刀も大切に受け継がれてきたからこそ現代に残っているわけで今目の前にもし刀があるなら尊重すべき、とは思います。

ただ一方で美しい刀は思考停止して体が硬直する位に美しい。
一目見ると一気に引き込まれて目が離せなくなってしまう。
という事で今回はこの常軌を逸する美しさを持った刀の名品を手に取った時にどんなことを感じたかという個人的な話です。

画像5


①手に持った瞬間になぜか気が引ける

刀を渡されるときに少し光を反射しただけで刃がまばゆい光を放つ。
刃と地鉄は1m位離れた距離から見ても分かる位に明るく匂い口がはっきりしている気がする。
映りがあれば鮮明に見え、地鉄が詰んでいれば黒から青にグラデーションで変わるような深さを感じる色味をしているし、地景が見えるものはわざとらしくなく自然と刃に絡んでいる。
手に持てばどっしりと重さを感じ、それでいてどこか気品があるような落ち着いた佇まいをしている。
で、このような刀を手に持った時には不思議と気が引けます。
早く刀枕に置きたいような感覚。
この刀を持つだけの格が備わっていないにも関わらずそれを手にしてしまった時の畏怖感。
詰まるところ刀に気負い負けしているのかもしれない。
しかし2回目以降は慣れるからか、大丈夫だったりするので不思議です。

画像2


②意外と特徴を覚えていない

じっくりと刀を見ていたはずなのに、どんな刃文をしていたかとか、どんな地鉄をしていたか、ここはどうだったかなど、意外に覚えていない…。
全体をぼっーと眺めて綺麗だなぁと感じて終わる、そんな感じです。
なので3回位見ないと覚えられないという。
これは完全に自分自身の集中力不足が原因のような気もしますが。

画像1


③名品全てに圧倒されるわけではない

日刀保の鑑定で最上位の特別重要刀剣や、重要美術品といった刀の中にも「この刀は臆することなく普通に見れる」という刀も多いです。
綺麗なのは間違いないけど圧倒されるのとは違う、そんな感覚。
逆に何がそこまで評価されているのか分からない作も時々あります。
例えば郷は安定して美しさを感じますが、正宗はそこまで美しいと感じない作も個人的には多く、分からない刀の一つ…。
これは得てして自分の目が追いついていなかったりするだけなのできっと何年か後に改めて拝見したら変わって見えるかもしれない。


④終わりに

このクラスの名品は持つべき人を選ぶというか、とにかく完全に自分だと役不足。釣り合いません。
そもそも格も何も追いついていない。
まぁ今手元にある刀に対しても全く格も何も追いついていないわけですが。。
ただこのような名品を見せて頂けるのは本当にありがたく、嬉しい事です。
いつか臆すことなく名品を見れるようになりたいものです。


今回も読んで下さりありがとうございました!
面白かった方はハートマークを押してもらえると嬉しいです^^
記事更新の励みになります。
それでは皆様良き御刀ライフを~!

画像3


いいなと思ったら応援しよう!