鐔の耳の形の色々
鐔の縁(ふち)のことを「耳」と呼んでいます。
耳には様々な形があり、これが実用面が理由なのか装飾面が理由なのか定かではありませんが、鐔の見所となっている事に変わりはないので今回はそれらの代表的な形を紹介します。
・丸耳
耳が丸みを帯びているものを指します。
・角耳
耳が角ばっているものを指します。
尾張鐔などによく見られます。
・角耳小肉
角耳でありながら若干丸みを帯びているものを指します。
・打返耳
青矢印部を叩いて僅かに段差を作った物を打返耳といいます。
・土手耳
甲冑師系の鐔によく見られます。
縁が大きい角型や丸型をしているのが特徴です。
・桶底耳(おけぞこみみ)
端部が直角に盛り上がっている耳を指します。
段差の深い物が多い印象が個人的にはあります。
・捻り耳
断面図で表すのが難しいのですが、厚さや幅が不揃いに仕立てられた物を捻り耳と言われています。
埋忠系の鐔などに見られます。
・終わりに
細かく細分すれば例えば鋤残耳(すきのこしみみ)など含めもっと沢山あると思いますが、今回はよく見る代表的な物を紹介しました。
実際の鐔は耳部や表面が経年で傷んでいる物も多く、角耳小肉なのか、丸耳なのか、個人的には分かりづらい物もあるように感じます。
いずれにしても鐔は耳に至るまで鐔工の特色が現れていて面白いです。
きっと形状には様々な理由があったはずであり、それを自分で紐解いていくのも刀装具の楽しみ方の一つではないでしょうか。
鐔を見る機会があればぜひ耳の部分も観察されてみると面白いかもしれませんね!
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)