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古刀匠鐔(草花紋図鐔)①

古刀匠鐔が新たにコレクションに加わりました。
古刀匠鐔では珍しく毛彫がされています。
鏨で一点一点打つ事で模様を付けています。

①この鐔について

小柄や笄などを通す為の櫃孔(ひつあな)は無く無櫃。
古刀匠鐔や古甲冑師鐔には後世になって櫃孔が開けられていることも多く、無櫃は数が少ないのだとか。

鑑定書を見ると時代などの明記はありませんのでいつ頃のものかは分かりませんが、古刀匠鐔の始まりは何も絵柄の無い素文鐔が始まりと考えられているようですので、凝った透かしの図案が出たり耳のあるものはその後に登場した古甲冑師による作という見方がされているようです。
こちらは意匠は凝っていますが、古刀匠鐔の鑑定を受けています。
耳が無いからかもしれません。
毛彫でいえば安土桃山時代に活躍した信家などは良く毛彫をしています。
その為、その頃のものではないか?と個人的には何となく想像していますがどうでしょうか。

(画像出典:真玄堂 信家 水草沢瀉図鐔


②写真色々

手に持って見ると、鉄の黒みが良い感じに出ている気がします。
刀の茎の雰囲気などとも比較すると結構古そうな印象も受けます。

縦横84.5mmの真円で、切羽台の厚みが3.3mm、耳厚が2.8mm、重量100gと比較的薄いです。

毛彫部を拡大するとこのような感じ。
1点1点丁寧に打たれています。
模様は草花紋らしいです。


③終わりに

古刀匠鐔も古い物は鎌倉時代からあるらしいです。
そういった物はとても希少で鉄味も素晴らしいんだとか。
古刀匠鐔などはもともと大名が持つようなものではなく、雑兵が刀につけるものだったようです。
しかしそれが時代が経ち一つの完成された味となる。
このわびさびの世界はとても魅力的でただの日々触れる事でその時代に触れているような気にすらなってくるので不思議。
金工鐔も良いですが、鉄鐔も素晴らしいですね。

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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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