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卓上刀箱2.0に刀身と拵を展示出来るのか

卓上刀箱2.0の刀身と拵を同時に展示出来る仕様を作って欲しいというのもまた頂いている中で要望としては多く頂いています。
しかし拵も飾れるように作ろうとすると、単純に現状のケースの高さ寸法を倍に、奥行寸法を1.2~1.5倍位にしなくてはいけません。
現状の卓上刀箱2.0のコンセプトはなるべく場所を取らずに(主張せずに)コンパクトに飾る、という意図で製作しているのでこのデザインのまま大きくすると箱の存在感が増して水槽のようになってしまい空間に対して美しく展示出来る許容を超えてしまいそうなのでサイズは大きくしたくありません。

現状の卓上刀箱2.0
ここから高さ方向が2倍に、前後方向が1.2~1.5倍になるとなかなかの存在感になる。


拵と刀身を飾れる物としては現状以下の最上位版の刀箱のみですが、

刀箱(箔漆仕様)
刀箱(箔漆仕様)

これに加えて「卓上刀箱2.0」と「刀箱」の中間位の価格帯で新しい展示ケース「EDGE」の方で拵と刀身を飾れる物を製作中です。
そのような背景もあり、今後も卓上刀箱2.0のデザインで刀と拵を作るつもりはありません。

刀展示ケースEDGEのプロトタイプ



・卓上刀箱2.0に刀身と拵を展示出来るのか

では卓上刀箱ケースのサイズはそのままで先日の卓上短刀箱2.0に付けたような刀掛け部材を交換する事で刀身と拵飾れるのでは?という質問もありそうです。
結論から言えば拵は無理ですが大摺り上げの古刀や新刀以降の反りがあまりないもの(慶長新刀位の反り)であれば白鞘とともに展示する事は出来そうです。

実際にモデルデータを作ってみたのが以下です。

刃を上に向けて展示した時
モデルデータは2尺3寸の慶長新刀
刃を下に向けて展示した時
モデルデータは2尺3寸の慶長新刀


刃を上向きにした場合は土台との差が約1㎝(箔漆台を用いた時)なのでかなりギリギリです。
箔漆台を用いない場合は約2cmほどとこちらは少し余裕があります。
(あくまで慶長新刀の場合)

箔漆台あり
箔漆台なし
刀掛け部のみ2掛け仕様のものに変更
断面図(刃を上向きに)
断面図(刃を下向きに)


刀をケースに入れる際に接触しないで入れるなど注意がより必要にはなりますが、現状の卓上刀箱2.0に刀掛け部材を変更する事で白鞘との同時展示が出来るようにはなるかもしれません。
これは2025年2月下旬ごろにでも一度試作してみて改めてブログにまとめる予定です。
暫くお待ち下さい。



今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き刀ライフを!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。

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