金属分析器で刀装具の時代鑑定が出来そうな件
いよいよ来週に迫ったボリス氏による「放射性炭素年代測定による刀装具の年代決定」をテーマにした公演があり楽しみにしている所です。
ボリス氏は以下の「刀装具屋」というHPも運営しており、そこでは質の良い刀装具や刀も販売しています。興味ある方は以下ご覧ください。
講演の内容については一切不明なのですが、炭素量という事で鉄鐔などの年代を測定できる、というものでしょうか。楽しみです。
さて先日なんとなくYoutubeを見ていたところ、以下の動画に行きつきました。
動画の内容としては、黒ずんだ延べ棒を1本選んで持って行って良いと言われた、選定にあたり秘密兵器を使って良い、その上で最終的に選んだものがいくら位の価値があるか調べる、という動画構成になっています。
ここで言う「秘密兵器」というのが以下のX線を用いる事で金属の成分量を分析できるという機械。
上で言えば「Cu(銅)が70.49%」含まれている事が分かります。次点がSi(ケイ素)で12.9%」などなど。
因みに金はAu、銀はAgなので、金ぽく見えても金は含まれていない事が分かります。
とこんな感じで瞬時に材料を特定出来る器材がある事を知ったわけですが、これ刀装具などに利用できたりしないでしょうか?
例えば室町期の山銅地の鐔などは精製技術が未熟であった事から色味などが異なりますが、材質のデータを取っていけばある時点で傾向が見られそうです。それを例えば同時期あたりの仏像などの成分と比較する事で使用している材料に似た傾向が出るようであればある程度の明確な時代など見えてきそうな気もします。
蝦夷目貫などについても山銅や四分一など鑑定書ではなっていますが、結局現在のような明確な四分一というわけではなく、実際は含有量によって材質の特定が際どいものもあると思います。
刀装具単体で見ていてもなかなか分かることは少なそうですが、同時代の別の物と比較する事で見えてくる事は多そうです。
という事でこの機材を買えたりするのか調べてみたところ、以下のサイトでレンタルしたり購入したり出来そうでした。ただX線を使用するため使用には所轄の労基署へ届け出が必要と書かれたサイトもあったので使用する場合は色々調べた方が良さそうです。
こういうのを用いて科学的に分析する方法も可能性としてはありそうな気がしますがどうでしょうか。
とりあえず来週のボリス氏の講演がどのようなものなのか楽しみに待ちたいと思います。
今回も読んで下さりありがとうございました!
面白かった方はいいねを押して頂けると嬉しいです。
記事更新の励みになります。
それでは皆様良き刀ライフを!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)
「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。