「刃長1尺7寸2分」が大体何㎝か、ぱっと分からない人は読んでください。
刀の押形や図録、美術館の解説などで、「刃長2尺3寸5分」などと尺貫法(しゃっかんほう)と呼ばれる日本古来の単位が使われている事があります。これは中国を起源として、古くは大宝律令の頃から使用されていた計量法とされています。
私は今でこそ大体何㎝か分かるようになったのですが、最初の頃はなんて分かり難い表記なんだ、cmで書いてくれ…と心の底から思っていました。
という事で今回は「刃長2尺3寸5分」が大体何センチか、頭の中で簡単に計算できるようになる簡単なポイントを書きました。
・覚えるのは「1尺=30.3cm」だけ
ここで覚えるのは「1尺=30.3cm」だけです。
あとは10分の1していけば「寸」と「分」になります。
1尺=30.3cm
↓10分の1
1寸=3.03cm
↓10分の1
1分=0.303cm
なので「1尺=30.3cm」だけ覚えれば、寸と分は自然に導き出せます。
では冒頭の2尺3寸5分という長さについて、計算していきます。
2尺→60.6cm
3寸→9.09cm
5分→1.515cm
これを全て合計して、71.205cm、つまり約71.2㎝となるわけです。
・もっと計算を楽に
とまぁ正確にはこうなのですが、刀を美術館でふらっと見たり、刀屋さんで刀を見る時に、こんな細かい計算をする必要があるのか?という疑問もあると思います。
1㎝2㎝くらい気にしない、大まかな寸法だけ知れれば良いや、という方は以下のように概算で計算すれば十分かと思います。
1尺=30㎝
1寸=3㎝
1分=小さいので無視
例えば美術館の解説欄に「2尺4寸3分」と書かれていたとして、正確に頭の中で計算しようとすると混乱する人も多い事でしょう。
頑張って「2×30.3 + 4×3.03 + 3×0.303 = 73.629cm」と出しても良いのですが、「2尺4寸3分」を「2尺4寸」とざっくり見て、「2×30+4×3=72㎝」と出すぐらいでも、誤差は1.6㎝位出るのですが、何となくの長さが知りたいだけの人にとっては不都合はないはずです。
(仮に2尺4寸8分であれば、2尺5寸と四捨五入して計算すれば楽)
・まとめ
と言うことでここで覚えるのは「1尺=30.3㎝」という事だけです。
大まかな数値が知れれば良い人は「1尺=30㎝」で覚えれば問題ありません。寸と分は1尺を10分の1していけば導き出せます。
では最後に「1尺7寸2分」が何㎝か計算してみましょう。
もう怖くないですね!
ざっくり計算で良ければ「1尺7寸」と見て、1尺は30㎝、1寸は3㎝、1分は無視。「30cm+7×3cm =51㎝」と直ぐに分かります。
真面目に計算すると「30.3 + 7×3.03 + 2×0.303 = 52.116cm」になります。
刀屋さんに行くと㎝よりも尺での会話がメインになると思いますので、覚えていて損は無いかと思います。
(白鞘に書いてあることも多いですね。上は2尺4寸8分とあります。)
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それでは皆様良き御刀ライフを~!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)