マニアックなイベント「日本刀の鑑定会」参加者はどんな人?
上は刀の鑑定会の様子です。
皆真剣に刀を見つめて何をしているのでしょうか?
刀の茎(手に持っている箇所)部分には作者の銘が書いてありますが、その部分を隠して刀身だけを見て作者を当てるゲームをしています。
皆熟練したプロ鑑定家のように見えますが、多くは刀が純粋に好きな普通の愛刀家で、楽しみながら鑑賞を行っています。
初心者の時は参加するのにハードルの高いイベントの一つに感じるかもしれませんが、「皆刀が好きだから参加してるんだな」位に考えてとりあえず参加してみると楽しめるかもしれません。
初参加した方3名位と以前お話した時は「もっと早く参加してればよかった!刀を実際に持てて楽しかった!」と皆声を揃えて言っていました。
私が初めて刀を持った時も感動して心が震えたので、この感動を味わいたい方は是非。笑
年齢を飛び越えた楽しみが出来るのも趣味の良い所ですね!
鑑定会の概要
先に書いたように、刀を実際に手に持ち、刀の姿や地鉄、刃文からいつの時代に作られた誰の作かを当てるゲームの様なものです。
大体1分ほど見たら次の人に交代するケースが多いですが、支部などによっては時間が決まっていない所もあります。
(後ろで待っている人がいれば適度な時間で交代する)
時間内は何回でも見れますが、回答は1回まで(一本入札)、3回まで、何回でも可、など、会ごとに回数が決まっています。
最後に成績上位者は点数と名前が発表されるところもあります。
(点数が低い場合は発表されないのでご安心を。自分だけ点数が分かるように配慮されています。因みに0点でも気にする事はありません。)
とはいえ初めてだと全く分からないと思うので、「初めてで全く分からないので、先に誰の作か教えてください」と採点する人に伝えれば、答えは勿論のこと、見るべき特徴など事前に教えてくれますので、それを基にひたすら鑑賞し続けるのも面白いです。
もっと鑑定会について知りたい方は以下をどうぞ。
鑑定会に出ると分かるようになること
美術館で鑑賞しているだけでは分からない事が見て感じられるようになってきます。例えば、
①銘を見なくても刀を見て刀工や作られた時代がなんとなく分かるようになる。
②刀の善し悪しがなんとなく分かるようになる。
(但し買った刀の影響も受けるのでこれについては別の記事で書きます)
③刀剣用語にも詳しくなるので、この刀は「踏ん張りのある腰反り姿、小板目に柾が掛かり、金筋入り…」など言葉で刀を表現出来るようになる。美術館で刀の解説を読んで理解出来るようにもなる。
また、鑑定会ではテーマが決められている事が多いです。
例えばテーマが「備前伝」であれば、鎌倉、南北朝、室町、新刀以降のように時代毎に代表的な作風の刀を出してくれたりします。
当てる事が目的ではなく、その時代や刀工の特徴を捉える事が目的なので、その刀工の特徴が良く表れた作が出る事が多く、鑑定会後に行われる解説も合わせて聞くと非常に勉強になります。
(たまにレアな作風なども出ます。例えば助広の直刃など。まぁこれも分かるわけがない…)
鑑定会に参加している人達の割合
私の勝手なイメージですが、入札鑑定の点数などから判断するに、このぐらいに感じます。
一流鑑定家&刀剣商 :0~1%
凄い愛刀家 :10%未満
一般愛刀家 :80%
初心者 :10%
鑑定会の参加者は基本ほとんどアマ(愛刀家)と考えて良いと思います。
いわゆるプロ(一流鑑定家や刀剣商)の方が鑑定会で刀を見ている事もありますが、
入札鑑定には参加していない場合がほとんどです。(全国大会などは不明)
前に刀剣商の方に鑑定会参加しないんですか?と聞いた事がありましたが、笑顔で「する必要ないし、しないよ。」と仰っていました。
(プロの貫禄・・・)
刀剣商の方は恐らく年間数千振は見ていますし、それに比べたら1回の鑑定会で5振程度見たところで、というのはありそうです。
因みに鑑定会の中で今の私の立ち位置を表すとこんな感じでしょうか?
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一流鑑定家&刀剣商 >>(超えられない壁)>>凄い愛刀家>>一般愛刀家>私>初心者
(愛刀家の中にも刀に凄く詳しい人もいれば、そうでない人もいるので分けて書いてます)
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で、肝心の入札鑑定結果ですが。。
まぁ当たりません。
全然当たりません。
これでもかという位あたりません。笑
何十年も参加してる方でも同じ事を良く仰っているので多分私は十年後も同じ事を言っていると思います。
しかし名刀を手に取って見れるまたとない機会なので当たり外れ関係なく楽しいです。
参加できる鑑定会は?
(※2020年6月現在はコロナの影響で開催されていない所もあるので注意)
①日本美術刀剣保存協会の鑑定会(毎月第2土曜)
→日刀保所有の刀が並ぶ。刀の見方展など日刀保主催の展示会に並ぶ名刀の数々を実際に手に取って見れます。武蔵正宗や蜂須賀正宗、粟田口なども過去手に取れました。
②日刀保 東京都支部(年4回)
→都内の刀剣商が刀を持ってくるので並ぶ刀が毎回名刀ばかり。しかも美術館では見る事の出来ない貴重な刀ばかりです。とはいえ美術館に並ぶ刀も出る事があり、以前は「京のかたな展」に出展された小太刀「吉光」も出ました。
③都内になかなか出られない方向け
→全国の支部情報が載ってるので、ここからお住まい近くの支部に連絡を取れば参加できる可能性が高いです。サイトもある場合が多いので検索してみてください。
日刀保から刀を借りて行うこともあれば、会員の刀を持ちよって鑑賞会をすることもあります。会員の刀持ちよりはその刀のどこが好きになって買ったのかなど話が盛り上がり楽しいです^^
最後に
鑑定会と聞くと堅苦しい怖いイメージがありますが、刀好きが年齢関係なく集まって刀を見れる会です。
初心者でも気軽に参加すれば色々な刀との出会いがあり楽しめると思いますので、興味を持たれた方は是非!
因みに私は①日刀保本部、②東京都支部には出来るだけ参加するようにしていますので、もし見かけた際はお気軽に声をかけて頂けると嬉しいです^^
その他に横浜支部にも参加しています。
それでは皆様良き御刀ライフを~!