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寝刃(ねたば)とは
刀の切れ味を良くするために刃先に細かな疵を数多くつけたものを「寝刃」と言います。(どう疵をつけるかは③に書いています)
また寝刃をつけることを「寝刃を合わせる」とも言います。
今回の記事を書くに当たり、以下のサイトと日本刀大百科事典(著:福永酔剣)」を参考にさせて頂いております。
①寝刃による切れ味の変化
上記ブログでは、まず綺麗に研ぎ上がった状態の刀の刃先にティッシュを小さくたたんで何重にもしたものを当てて引いています。
(画像3点の転載元:ガチ甲冑合戦(日本甲冑合戦之会))
するとティッシュが凹むだけで切れないそうです。
次にサンドペーパーで鎬から刃先方向にかけて10回程度摺り、同じことを試すと…
(画像2点の転載元:ガチ甲冑合戦(日本甲冑合戦之会))
ざっくりと切れています。
つまり表面を刃が滑ってしまうと食い込まず切れづらいので、表面を少し荒らす事で食い込みを良くする事で切れるようになると書いてあります。
②寝刃の種類
(日本刀大百科事典に記載されている内容になります)
・藁寝刃
藁を束ねたもので刃先を除いて地だけを元から先へ縦にこする。
刃先だけ除くのは、刃先をこすると細かなのこぎり状になっていたものが直線状になってしまうからとのこと。
あくまで応急処置方法。
・紙寝刃
四角い木の上に紙を10枚ほどかぶせ両端を細縄で縛り、これを砥石のようにして刀の平を研ぐ方法。
これにより骨がよく切れるとも言われているらしい。
・厚朴寝刃
白鞘の柄で縦にこする方法。
角材があれば砥石同様にしてこするそう。
京寝刃、炭寝刃などの名称もある様子。
・砥石寝刃
略式と正式があります。
略式は剃刀砥に水をかけて刃先を縦に元から先へ数回こする、もしくは名倉砥に筋違いにこする方法など。
先程の②は略式をサンドペーパーで代用したものと思われます。
正式は常見寺砥→中名倉砥or細名倉砥→合わせ砥の順。
砥石の当て方は大筋違い、中筋違い、小筋違い、縦、横など5種あった様子。
刃の硬いものには筋違い、柔らかいものには縦、その中間は横に当てるのが普通だったようです。
(出典:「日本刀大百科事典」)
③終わりに
私自身寝刃をやった事が無いため効果についてはやったことのある人のブログを参考にしたり本を見る程度の事しか出来ないのですが、理には適っていそうにも感じます。
ただし寝刃は刀身表面を傷つける事になるので、美術刀剣で寝刃をするのは文化財保護の観点からも私は控えるべきと思います。
模造刀や現代刀などでやってみるのはありかもしれないですね。
また、窪田清音により書かれた「ねたばの記」という寝刃合わせを解説した著書があります。
国会デジタルコレクションで誰でも見れるので興味のある方は是非。
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