刀の取り扱い時の注意事項など
このブログでも過去こうした注意喚起の話については何度か触れていますが改めて。
刀の展示即売会や鑑賞会などで刀の扱いに問題があり刀身に指紋が付いてしまっているのを時々見ます。
色々な人の手に触れる場ではこうした事がどうしても起こってしまうのです。
付けてしまった人も悪意を持っていることは私の経験上ありませんが得てして以下のような場合などふとしたタイミングで付いてしまう事があります。
今回の大刀剣市でも2回程そうした刀を見かけたので、店員さんに伝えて拭きとって頂きました。
(自分で勝手にふき取る行為は、他の方の所有物である以上はヒケ(刀身に小さな線のような疵)をつけてしまう可能性もあるので、するにしても一声確認してからの方が良いです)
指紋以外にも展示会が終わると唾が付着している、という話も聞いた事があります。
特に後者は特に直ぐ取り除かないと早い段階で白錆になってしまいます。
付いてしまった場合は持ち主に直ぐ報告しましょう。
直ぐに打ち粉と油を用いて対処すれば問題ありませんので。
しかし放置すればするほど厄介になります。
刀を持つ際は手で刀身を触らない(触って良いのは茎だけ)、刀を持ってしゃべらない(置いてから話す)、どうしても喋らなければならない場合は刀身から顔をそらし話す、こうした刀の取り扱いは愛刀家の中では常識とされ、暗黙のルール化されていますが、一般の人は殆ど知らない事でもあります。
(「人に刃を向けない」せいぜい一般の人への常識が通用するのはこの位ではないでしょうか。ただ世の中にはいきなり振ろうとする人もいる位なので、刀を誰かに初めて持たせる際は自分の中の常識を取り除くところから始めた方が良さそうです。過去の私の失敗はこちら)
それはそうと私も今回の大刀剣市来場にあたりマスクを忘れてしまったのは反省点です。勿論刀を手に取っている際は注意しましたが。。
こうした事は刀が色々な人に注目され新規参入者が増えるにつれて増える事が懸念されます。
刀の魅力が広まる事は良い事ですが、刀を壊してしまっては本末転倒ですので啓蒙活動もまた同じかそれ以上に大事な事にも思います。
刀は錆びやすく疵が付きやすい物である事を知らない人はとても多いです。
今回のような事を確実に防ぐのは難しく、出展者側で都度説明したりマスクの着用を促したりたりしないといけないのかもしれません。
現に既に東京都支部の鑑賞会などではマスクの着用が義務付けられるようになりました。
このような背景もあるので是非新しく刀を迎えた若い愛刀家の方々は周りの人にも刀は繊細なものだということを普及していって頂ければと思います。
そして初心者で刀を持たせて頂く方へ。
過度に心配し過ぎて怖くて持てない…とまで気にしすぎなくても大丈夫です。
最悪付いてしまっても直ぐに拭き取ればどうという事はありません。
罪なのは「指紋付いた!唾付いた!ヤバい!」と思って適当に拭いてごまかしてその場をやり過ごそうとするパターンです。
指紋にしても唾にしても放置すると錆びてしまうので誰も幸せになりません。
刀を見せる側もある程度のリスクは承知した上で、それでも貴方に刀の美しい部分や魅力を知って欲しいから見せてくれているはずです。
その人の好意や刀の為にも、もし指紋や唾を付けてしまった場合は正直に報告してあげてください。
私ならそういう人の方が人柄を信用出来ますし、別の刀も見ますか?という気持にもなります。
一度自ら反省出来るような人は同じミスを繰り返しづらいからです。
無視して内緒を振る舞おうとする人は大体同じミスを色々な所で繰り返すので別の刀を見せたいとは思いません。
あくまで一愛刀家である私の場合ですが、共感頂ける愛刀家の方も多いのではないでしょうか。
それはそうと大刀剣市2024の動画や写真が刀剣ワールドさんにより公開されていました!
見返してもやはり楽しいですね!早速ありがとうございます!
今回も読んで下さりありがとうございました!
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それでは皆様良き刀ライフを!
私が人に愛刀を見せた際の失敗談↓
愛刀を見せて良かったと思える事も多いのでこちらも是非!
↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)