マガジンのカバー画像

その他

934
運営しているクリエイター

#刀剣

円安の弊害と日本刀

円安の弊害と日本刀

刀屋さんから聞いた話も含めて。
ここ1年で日本刀(美術刀剣)の値段が急激に上がったものがあるが、ごく一部の最上作に限っての話であり2極化している状況。
新刀や新々刀、並出来の刀は変わらないかむしろ少し下がっているとも聞く。
最上作がなぜ値上がりしたかといえば円安の影響による海外需要、という事になる。他には海外で日本刀が美術品として評価されてきているのかもしれない。
海外の人からすれば、1ドル100

もっとみる
GINZA SIXで内田望展と刀など

GINZA SIXで内田望展と刀など

刀の展示はブログ後半に書いてあります。
そこだけ見たい方は以下から飛んで下さい。

今日は銀座SIXで知人(内田望氏)の展覧会を見てきました。
内田望氏の作る立体作品は面白く好きです。

動物や昆虫などの生物は飛行能力や潜水能力など人間には真似できない特化した能力を生まれながら持っているが、一方で人間は持たざる能力を補う為に科学的技術を生み出してきてそれを補ってきた。
そこに着眼し、人間の生み出し

もっとみる
忘れがちな名工 末備前の清光

忘れがちな名工 末備前の清光

1振りの刀を茎を隠した状態で拝見させて頂いた。
南北朝体配を摺り上げたような、はたまた慶長新刀のような姿をしており地鉄が詰み非常に精美で潤いがある。
地鉄はよく見ると相州伝のような板目や杢がうっすらと上品に浮かび上がり非常に端正。
物打ち付近にごく僅かに乱れ映りのようなものが見えるが、気のせいと言われればそうかもしれない。
故に映りはほぼ無いのかもしれない。
刃は匂口が締まり気味であるが、眠くなら

もっとみる
研ぎ減った刀の考え方

研ぎ減った刀の考え方

普通に考えれば「よく使われた」刀です。

よく使われるほど大切にされたと捉える事も出来ますし、それだけ人の命を奪った可能性があると捉える事も出来ます。
主君を何度も守ってきたと考える事も出来ます。
言い方は色々あれど一言で言えば「よく使われた」刀です。

感覚値ですが、平安、鎌倉時代の刀はほぼ99.9%研ぎ減っています。
特重指定品でも重文でも少なからず研ぎ減っています。
0.1%信じられない位健

もっとみる
刀の取り扱い時の注意事項など

刀の取り扱い時の注意事項など

このブログでも過去こうした注意喚起の話については何度か触れていますが改めて。

刀の展示即売会や鑑賞会などで刀の扱いに問題があり刀身に指紋が付いてしまっているのを時々見ます。
色々な人の手に触れる場ではこうした事がどうしても起こってしまうのです。
付けてしまった人も悪意を持っていることは私の経験上ありませんが得てして以下のような場合などふとしたタイミングで付いてしまう事があります。

今回の大刀剣

もっとみる
大刀剣市紀行2024②

大刀剣市紀行2024②

①はこちら。

刀装具は、欲しい物が幾つか買えたので戦利品の話は後日書くとして、その他気になったものなどについて今回は書こうと思います。
大刀剣市2日目の会場待ちなどの時間にでも暇つぶしに見て頂ければ。

刀も刀装具も何度も見ると面白い

刀も刀装具も何度も見ると面白い

感動する物と面白い物(知的好奇心を満たしてくれるもの)は似て非なるものに感じ、この目貫は感動というよりはどちらかと言えば面白さを感じる目貫だったり。(買う時はいつも感動して買う…かは分かりませんが惹き込まれて買うのでこの差が分かるのは購入した後だったりするのですが…)

この目貫を買った時は完全に画像判断でどういうものかいまいち分からなかったのですが、胸の蛇腹の構造であったり、抜け穴の多さなどから

もっとみる
「東美特別展2024」へ行ってきました

「東美特別展2024」へ行ってきました

今日は10/14まで開催中の東美特別展2024へ行ってきました。
会場に着いたのはちょうど11時、開場時間。
既に美術倶楽部前には多くの人だかりが

東京美術倶楽部を曲がった先まで列が伸びており、これは相当入るのに時間がかかりそうだなと思いながらも、大刀剣市とは異なり1階も会場の為か、エレベーター待ちの人と分かれるので意外にサクサクと列が進む。
大体入るまで10~15分位だったでしょうか。

茶器

もっとみる
大刀剣市2024のカタログが公開!気になった物など

大刀剣市2024のカタログが公開!気になった物など

大刀剣市2024の電子カタログが遂に公開されましたね!
詳細は以下のリンク先を見て頂くとして、個人的に気になった刀や刀装具などを完全個人の趣味趣向で列挙していきます。
一部価格予想なども。

(数字はカタログNoです)

①刀・表紙 太刀 波平家安(重文)

好きな日本刀&知名度ランキング

好きな日本刀&知名度ランキング

2023年12月、2024年9月と2回に渡り、株式会社NEXERさんと永楽堂さんによる日本刀に関するアンケート調査が行われたようなので今回はその話です。

①2023年「好きな日本刀に関するアンケート」

事前調査で「『日本刀』に興味がある」と回答した全国の男女481人(インターネット調査)に対して、もっとも好きな日本刀の名前1つと、その理由を聞いた回答結果が以下の通り。

②2024年「日本刀の

もっとみる
刀ケースをお納めした方の御宅⑥

刀ケースをお納めした方の御宅⑥

刀展示ケース(卓上刀箱2.0)をお納めさせて頂いた方から御写真を頂きました。とても品のあるシックでモダンなお部屋には河内一平刀匠が作刀された刀を展示下さっています。

河内一平さん曰く、南北朝期の大太刀を摺り上げたような姿を目標に作刀されたとの事で、山姥切を彷彿させるような姿で大きくのたれた刃に良く詰んだ地鉄が非常に冴えた作です。

ケース下にはワインセラーなどあるのが見て取れるので、刀鑑賞を楽し

もっとみる
金無垢短刀拵

金無垢短刀拵

何とも豪華な24Kの金無垢短刀拵を拝見。
いえ、正確には刀身も金無垢。
まさにこの世の贅を尽くしたような金工作品。
目釘や獅子の目貫は異なりますが、それ以外は有名な細川三斎公の短刀拵に似ている事から、模して製作しているのかもしれません。

秋水美術館で凄そうな日本刀展示会が!

秋水美術館で凄そうな日本刀展示会が!

私自身今更ながら知ったのですが。
富山県にある秋水美術館で何やら凄い名刀展が行われているようですっ…!
しかも前期(9/13~12/1)、後期(12/11~3/2)に分かれて半年間の長期間行われる展示会のようです。

・展示目録(前期)目録はまだ前期しか出ていませんが、昨今刀身の展示の比率が多いのに対して、本展示は刀身29に対し刀装や刀装具が22とほぼ同じくらいの数が展示されるのも好印象です。

もっとみる
ぶらぶらと刀剣はしご

ぶらぶらと刀剣はしご

今日は朝から東京交通会館(有楽町駅)で開催されているコレクション情報さんの展示即売会へ。

今回から混雑緩和の為にハガキや会報を取っていない方は入場料が500円掛かるようになったとの事です。
場所柄ふらっと興味本位で入ってくる方も多かったのかもしれないですね。

今回個人的にささったのは何といっても但州法城寺の薙刀直し(といっても実際は薙刀を直したわけではないと思いますが)のような太刀。大擦り上げ

もっとみる