中国安全保障レポート2021についての考察①
防衛研究所が出している『中国安全保障レポート2021』について、普通のサラリーマンである私が、サマリーと分析を書いていく。
専門家でもない私が、なぜいきなりこんなことをし出したのかは、また別の投稿で書きたいが、きっかけはハドソン研究所の村野将氏の以下のTweetから。
そう、私達の税金から作られている。このレポートが防衛省の公式見解ではないものの、関連組織である防衛研究所が作っているので、政策に影響を及ぼしていることは間違いないだろう。そして現実問題として中国の南シナ海への進出、ウイグル・香港での人権弾圧、そして尖閣諸島や台湾へも実効支配を進めようとしている。まさに今そこにある危機なのだ。私達一般人ができることは、その危機を共有し、声を上げて、日本政府へ届けること。そういったアクションも中国に対して、日本人が安全保障に対して高い意識を持っているという「抑止力」にもなるのではないだろうかと考える。
私が敬愛(ヤバイ意味ではない)する評論家の江崎道朗氏もTweetで紹介されていた。恐らく、あえて英語でTweetされたのも対外的に意味があったのだろう、これもインテリジェンス!?
それでは、以下サマリーへ
第1章 情報化戦争の準備を進める中国
中国軍事戦略の変遷
まず第1章では中国軍事戦略の変遷ということで、毛沢東〜習近平までの時代で、中国における軍事戦略を指導者の時代に合わせて解説している。
上の表が端的に纏められているが、時代と共に兵器や戦略が刻々と変化しているということ。人が武器や兵器を操作し戦争をする概念(特に対日本を想定したものも含まれる)から、直近の習近平政権では宇宙空間から全戦闘空間の各種情報を取得・伝達し、陸・海・空・宇宙・サイバー・電磁波という各領域を一体化した戦場として想定する戦い方へと変化している。いわゆる「情報化戦争」である。
そして智能化戦争へ
2019年版国防白書『新時代における中国の攻防』では新たに智能化戦争(intelligent warfare)が定義されている。これは、IoT情報システムによって智能化された武器・装備およひ関連する作戦方法を使用して、陸・海・空・宇宙・電磁波・サイバー及び認知領域で進める一体化戦争であると定義している。つまり、情報化戦争を進化させたものであり、智能化(AI化)された機械が戦争において人と一体化(または人を超えるレベルまでも想定)し、指揮系統や意思決定レベルまでもコントロールすることを示唆する。
考察
ここまでが第一章の私なりのサマリーで、知識の無い私でもサクサク読めて理解できるので、是非一読をお勧めしたい。
つまりは、中国共産党のトップによって、想定している戦争の概念が変化していっているということ。機微技術の進化という面もあってか、智能化戦争の概念などは、もはや一般的にイメージされている戦争とかけ離れたものであることは明らかであり、超限戦(第1章の最後にコラム有り、おもしろい)によって我々一般人も既に戦争に巻き込まれている言っても過言ではない。
私も生活においては、なるべく中国製のアプリや、電化製品、食物などは避けているが、すべてにおいて避けることはできないのが現実。
ちょうどこの記事を書いている11月25日付の日本経済新聞朝刊にタイムリーな記事が出ていた。
中国の衛星測位システム「北斗」がGPSの観測数を上回っているという。これにより軍事利用はもちろんのこと、中国製のスマホやアプリを利用した個人のデータ獲得なども可能になっている。まさに「制脳権」!
これから第2章以降も読み進めていきながら、記事をまとめていきたい。
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