![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/170306463/rectangle_large_type_2_5c7762fe6493a5f069dab095f998618f.png?width=1200)
[△と心]シリーズ第2回 『依存症』
今回は『依存症』を△で説明する試み
依存とは何か?
依存症はなぜ人の心と身体を縛るのか?
その謎を△の観点から考えてみる
△=自己複製子+階層構造+謎の経路
❶ △への侵入
依存とは、外部の刺激(薬物、アルコール、ギャンブルなど)が△の内側に侵入し、自己の一部として認識されてしまうこと。
これにより、人は依存対象を「自分にとって不可欠なもの」と錯覚する。
例えば、薬物は、脳内で働いている神経伝達物質とそっくりの分子構造をしていて、脳を騙して入ってくる。
❷ △の習慣形成回路がハイジャックされる
△は反復運動を通じて、有効な習慣を形成し強化する回路を持つ。
このパターン化は、△の生存率や効率を高めることに繋がる。
しかし、過剰な快感はこの回路をハイジャックし、暴走させる。
依存対象が何であれ、△は「繰り返しの刺激」に対して適応してしまう。
その結果、以前と同じ快感を得るにはより強い刺激が必要になる、つまり耐性が形成される。このサイクルにより、依存の程度が深まっていく。
❸ △の「内と外の境界」を曖昧にする
さらに依存が進むと、△は内(自分)と外(環境)の区別が曖昧になる。
たとえば、「自分=薬物を摂取しないと成り立たない存在」というように、依存対象が自己の延長として固定化されてしまう。
❹ 結論→依存症とは△の「内部化プロセス」の誤作動
△は本来、外部の物質、道具、情報を「内部化」することで、自己を拡張する機能を持つ。(「自己化」「身体化」も同じような意味)
しかし、この内部化プロセスを利用され、「都合よく自己を満たすもの」を取り込んでしまうと、逆に不都合なことになりがち。
この「内部化の誤作動」が依存症の正体。
❺「良い内部化」と「悪い内部化」の違い
「内部化」は、本来はすごく良い機能。
外部のものを取り込んで自己を広げるこの仕組みは、人を成長させる。
「良い内部化」の例は、
楽器を練習→指と楽器が一体化する感覚が生まれる瞬間がくる
→考えなくても演奏ができる
→表現力が広がる
運転の習得→自転車や車を自分の身体の延長のように扱えるようになる
→移動範囲が広がる
一方「悪い内部化」は、△が簡単で過剰な刺激を取り込むことで起きる。
たとえば薬物は、脳の快楽回路を直接ハイジャックする。スマホ依存も似ていて、簡単に手に入る刺激が無限に流れてくる仕組みにより脳を虜にしている。
「内部化」は本来、自己を広げるはずのものなのに、むしろ狭めてしまう。
でも、スマホばかり見ているからと言って依存症とは限らない。
見分け方はわりと簡単。(他人からは簡単じゃない)
良い内部化 →成長がある 環境と接続されている
悪い内部化 →維持しかない 環境が遮断されている
薬物だろうと完全に内部化できた場合、それは食品と同じになる。
24時間スマホと繋がっていようと、内部化が完了してれば、身体の一部。
生活に支障が出る=内部化が未完了 ということ。
❻おまけ:フレーム別 △の『内部化(自己化・身体化)』の例
▶地球圏
地球が月を「自己化」して安定した軌道を維持
地球は月を引き込み、自転の安定性を高めている。これにより、地球は気候や環境を長期間にわたって維持する能力を得た。(仮)
▶地球
地球が隕石を取り込み 生命誕生の材料をつくった
地球は初期の隕石衝突により有機分子や水を得て、生命が生まれる基盤を作った。外部からの資源を取り込むことで「生命の星」に変わった。
▶ 動物
鳥が巣を「身体化」して自己の生存能力を拡張
巣は鳥の体ではないが、卵を守り、生存戦略の一部として機能している。
▶国
日本人が外国からの渡来品を「日本化」する
アニメ、ラーメン、漢字、カレー、仏教、パン、クリスマス、カルタなど
▶人間
ペンや言語を「身体化」しコミュニケーション能力を拡張
ペンを指の延長とし、文字や絵を通じて思考を「可視化」し、知識や文化を大きく広げている。
▶道具
スマホは既存の技術やアイデアを「内部化」して発明された
タッチパネル技術や通信システムを内部化し、使いやすさを追求した再構築の結果、電話やパソコンを超える道具になった。
→発売後、急速に人間の新しい「身体の延長」になろうとしている。
▶細胞
真核細胞がミトコンドリアを「身体化」し、エネルギー生産能力を拡張
かつて独立していたミトコンドリア(細菌)を取り込むことで、真核細胞は効率的なエネルギー生産能力を獲得した。
▶分子
DNAが外部のエネルギーや分子を利用して自己複製を行う
DNAは外部の材料(核酸やエネルギー)を取り込み自己を複製するシステム。
生物界の革命。