はじめてのプロボノ 体験記 ~プロジェクトスタート編~
(注)
この体験記は、プロボノの雰囲気や負担感などを伝えるために、私がどのように関わったかという視点で書いております。そのため、個人名や団体名、具体的な支援内容などは、なるべく伏せて書いておりますのでご了承ください。もし、もっと具体的な支援内容が知りたいという場合は、認定NPO法人サービスグラントのホームページをご覧ください。あしからず。
大人の社会科見学
2018年8月26日
早めに大会会場の最寄駅に着くものの、道を間違えるアクシデントで、結局時間ピッタリに会場到着。AD(アカウントディレクター)の顔もうろ覚えだったため、またもや知らない人を探すはめに(トホホ)。
ADの話ではアサインしたメンバー4~5人が見学に来るとのことだったので、それっぽい集団を探せばすぐ分かるだろうと思っていたのですが、なかなか見分けがつかず・・・キョロキョロ・・・ウロウロ・・・挙動不審でほぼ不審者状態(汗)。
ようやくそれらしき集団を見つけ、再び勇気を振り絞って声を掛け、やっと合流できました。
すると、なんと全メンバーが見学に参加しており、しかもAD以外は全員プロボノ初参加だということが判明しました!衝撃!!
今にして思えば、全員揃ったのはこれが最初で最後だったかもしれません。活動が始まると、それぞれ忙しいので、なかなか全員集まれることはありませんでした。
ですが、活動中はChatworkを使うことに決め(メーリングリストやLINEという手段もありましたが、せっかくだから使ったことのないツールを使ってみようとなったため)、こまめに情報伝達や発言をしていましたし、入れ違いですが各メンバーとは会って話しをしていました。
何より結束力の強いチームだったので、全員揃わなくても大きな支障はありませんでした。(と思っていますが、支障出てたらごめんなさい。)
また、全員が障害者スポーツに関わるのは初めてだったので、この日はすっかり大人の社会科見学となりました。
私も、「スポーツ祭東京2013 第68回国民体育大会・第13回全国障害者スポーツ大会」の時に少しお手伝いした程度だったので、障害者支援団体の方や関係者の方とお話しするのは初めてでした。
メンバー構成
AD(アカウントディレクター)
:男性、化学系専門商社(品質マネジメント、法令、知的財産等)、単身赴任中
PM(プロジェクトマネジャー)
:女性、自動車関連会社(リスクコンサルティング、業務改革、広報等)
MK(マーケッター)
:女性、金融関連会社(人事、教育研修、労務等、前職はCA)
MK(マーケッター)
:女性、化粧品会社(マーケティング、前職もマーケティングリサーチ会社)
MK(マーケッター)
:女性、地方公務員(都外の自治体だが東京事務所があり、単身赴任中)
MK(マーケッター)
:自分、地方公務員
GD(グラフィックデザイナー)
:男性、デザイン会社(デザイナー)
男性3人、女性4人だが、ADは基本的にはピンチの時のサポート役なので実動メンバーは男性2人、女性4人でした。
年齢は特に明かしていませんが、概ね20~40代といった感じです。
「はじめてのプロボノ 体験記 ~きっかけ・出会い編~」でも書きましたが、このメンバーの中にも、話を聞かない、批判的、発言しない、笑わない、といった和を乱すタイプはいませんでした。プロボノをやるくらいなので当前なのかもしれませんが、むしろ、明るく、前向きで、互いの意見を尊重できる人ばかりでした。
その上、それぞれが社会人として専門知識や経験、スキルもあるので、全員が初参加ではありましたが、それを微塵も感じさせず、終わってみれば、PMを筆頭に団結力と推進力を発揮した最高のチームでした。
ちなみに、ADからの提案で互いにニックネームで呼ぶことにしました。
最初こそ恥ずかしさはありましたが、結果的にはこれもチームの結束力を強めた要因だったと感じています。
年齢も立場も違うけれど、“同じプロボノワーカー”という対等な立場に立てたからこそ、自由な発言をできる雰囲気と異なる意見を尊重できる土台が整ったのだと思います。
プロジェクト開始
2018年9月4日
見学も終えて、ようやくプロジェクトスタート!
まずは、ADからスケジュールやスコープ設定を確認するためのキックオフ事前ミーティングが開かれました。
が、しかし!!
この日は勢力の強い台風が東京に最接近しており、交通機関も乱れまくっていたため、私は参加を断念。
後日、議事録や資料で内容を確認することにしました。
今回のプロジェクトは、2020年のパラリンピック大会に向けて、都内の4つの障害者スポーツ団体の支援にあたる「東京都 障害者スポーツ団体基盤強化事業」の1つでした。(他の3つの団体支援には、それぞれ別のチームが入りました。)
この日は、概ね次のようなことを確認しました。
①今回のプロジェクトのゴールを明確にし、設定したスコープを拡大させないこと
→支援先の団体の多くは、複数の課題を抱えており、マンパワーも不足しているので、一度で全て解決しようとせず、段階的プロボノを提案する方が良いため。
②プロボノでは、途中で参加できなくなる人がいることが前提
→転勤や異動、病気やケガ、育児や介護など、他に優先すべきことが発生する可能性は皆同じであるため。
③支援先の団体はお客様ではなく“パートナー”であるという認識を忘れずに!
→プロボノは、スキルや専門知識を持つ者から持たざる者への一方的な支援ではなく、異なる領域のプロフェッショナル同士の対話であるため。
④ADが事前にヒアリングした団体の活動内容や現状と課題、プロジェクトの進め方
特に、③の「一方的な支援ではない」という視点は、目が覚めました。
支援先の団体の人たちも、ほとんどが仕事ではなくボランティアで活動しており、自分たちと同じ立場なのですが、やる気がある人ほど「自分が支援している」という勘違いをしやすく、陥りやすい危険な罠があると気付かされました。
危うく私もそうなるところでした。
また、④も含めて、サービスグラントの場合はプロジェクトの手順がしっかり決まっており、マニュアルなどもかなり詳細なところまで作成されているので、初めての人でもゴールまでの全体感が分かるようになっています。
これが安心してプロジェクトに取り掛かれる理由の一つでもありました。
支援先団体とのキックオフミーティング
2018年9月14日
これまた私は、参加できませんでした。
妻の仕事の都合で、私が子守りをしていたためです。
この日は、チームメンバーと支援先団体との正式な初顔合わせということで、お互いの認識のすり合わせがメインテーマでした。
①プロボノチームが把握している支援先団体の事業概要やステークホルダー、課題はこれで間違っていませんか?
②今回のプロジェクトの目的と成果物、ヒアリング対象やスケジュールなどの仮説を立てましたが認識の違いはありませんか?
③いくつか確認したいこと(チラシの内容、周知方法、ニーズなど)があるので教えてください。
この時は、ADやPMが中心となって資料に基づく説明をし、支援先団体と意見交換をしました。MKは議事録作成を担当するという役割分担だったようです。
支援先団体には、ヒアリングするステークホルダー候補を後日、提示してもらうことになりました。
つづく