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どうなる?孤独感!

孤独感と、向き合っています。

孤独感と向き合うのは、私だけではないはずです。乱暴にいえば、世界中にいる人間全員の人生の課題だからです。心理学者のエーリッヒフロムは『愛するということ』のなかで「人間が生きるうえでの最大の課題は、孤独感をいかに減らすかである」と明言しています。

どう減らすかは大事なことで、それは追って考えるとして。私は今日は、この「孤独感をどう減らすか」という表現と向き合ってみようと思います。孤独感をどうこうしたあとの状態が魅力的に感じられないと、みんなこのテーマと真剣に向き合う気にならないからです。

減らす

フロム大先生の孤独感を減らすをそのまま使うのに違和感を覚えたのは、減らすは根本的な解決に見えないからです。私なんかは、孤独感を減らすと言われると「人生最大のテーマとして尽力したわりに、全部なくなるわけやないんかーい!」と思います。減る。って、どのくらい減るかも分からない。10%減って90%のこるのか、半分になるのか、90%減って10%のこるのか。もとの孤独感の量にもよりますが、いずれにせよ徒労を感じます。孤独感が減ったあとの未来は、魅力がないとは言えませんが、何となくそうでもないような気もします。

なくす

孤独感をなくす。これは、なくなった状態、つまり結果を示しています。人間全員の人生最大のテーマにしては、結果だけ伝えるのは、こざっぱりとしすぎていませんか?どうやってなくなったのか、動きを感じる表現を用いたほうが、ドラマを感じられる気がします。

解消する

孤独感を解消する。それまであった関係・状態などをなくすること。孤独感との解消に至るまで、さまざまな経緯があったように想像ができます。腐れ縁、長年のしがらみ、など事情が色々あり、そう簡単にはいかないが、とにかく結果的に孤独感と距離を置くのに成功したような表現です。この場合、孤独感は、意思をもった生物のような姿をしているように思います。候補として残します。

撃退する

孤独感を撃退する。敵などを攻撃して退けること。攻撃的ですね。人生の最大の課題である孤独感を、宿敵のように位置付けるとこうなる。アンパンマンとバイキンマンが、一生終わらない対決をしつづけるのに近い。あなたと内なる孤独感の、一生終わらない対決!!撃退!!なんか、想像しただけで疲弊しますね。孤独感に敵対心をもち、忌み嫌ったとしても、孤独感が人生に一生つきまとう事実は変わりません。もう少し、心おだやかでいられる捉え方にしましょう。

退散させる

孤独感を退散させる。これではまるで、孤独感が、悪霊や悪党のようですね。そのあつかいがネガティブなのに加えて、これの場合、退散した孤独感が、あとでまた戻ってきそうでこわいです。またお前かよ、つて。全然、解決していないですね。

断ち切る

孤独感を断ち切る。悪くない気もします。孤独感の鎖を断ち切る。みたいな。この場合、孤独感を絵にするなら、鎖っぽい形状でしょうね。孤独感て、鎖なのでしょうか。そんな強いものなのかな。だとしたら、みんなもっと、この孤独感の鎖を断ち切るために躍起になるように思います。現実は、孤独感にとらわれてはいるが、それが課題と気づかないような人もいるように思います。みんながフロム大先生の本を読むわけではありません。(ドイツでは、学校の授業でフロム大先生の『愛するということ』の内容を学ぶそうですが…)。私のなかでは、孤独感は、鎖のような硬質で冷たいものではなく、モヤモヤした霧や煙のようなあいまいな姿をしています。

晴れる

孤独感が晴れる。晴れるとは、雲や霧が消えること。一般的ではない用法ゆえ、若干の唐突感はありますが、ポジティブでドラマチックでよさそう。一般的には、晴れるというと、モヤモヤしたあいまいでネガティブな何かが、フワーっと消えて視界がひらけるような絵が目に浮かぶのでは。
またこの表現は、晴れたあとに、また押し寄せてきそうな印象もあります。私のなかで、孤独感に関しては、ボトルネックとなる孤独感の源泉を根絶やしにするのは難しいと思うからです。一旦は晴れても、また戻ってくる。実態に近そうです。悪くないかもしれません。候補として、置いておきます。

蒸発させる

孤独感を蒸発させる。詩的すぎて、何だか分からないですね。これなら、孤独感が晴れるのほうがピンときます。

消滅させる

孤独感を消滅させる。消滅とは、消えてなくなること。孤独感を消滅させられたら、人生を通して孤独感と無縁になるイメージですね。言い過ぎな気がします。ボトルネックとなる孤独感の源泉がなくならない限り、消滅はしません。自身の加齢と発達、外部の環境変化により、人生は有機的に変化します。一生同じ状態でいるのは不可能です。

減退させる

孤独感を減退させる。減退は、減って衰えさせること、弱くすること。私は、実態はこれに近いように思うのです。しかしですね、減退という字面は、食欲減退、性欲減退を想起させる。加齢にともない生命力が弱まるときに用いられがちな用語です。そして、減退は自身の意思と関係なく、コントロールできない場合に用いられそうです。実際は「自身の働きかけにより、間接的に影響がでて、うちなる孤独感を減退させることに成功。そして人生の課題は解決し、生きるのが楽になる」わけですが、構造が複雑ですね。もっと直感的に分かるような表現を探したいです。

発散させる

孤独感を発散させる。発散は辞書によると、自分の内部にたまったものを外部に飛び散らすこと。はげしいですね。ストレスや憂鬱と横並びで孤独感をとらえると、発散でよさそうです。孤独感は状態や事実ではなく、本人のうちなる感情であるのは確かなので、ストレスや憂鬱と近そうではありますが。ところで、人が飛び散らせた孤独感、近くで浴びたくないですね…。

和らげる

消すのは無理。やっつけるのも無理。それでは、それがある状態を受け入れ、少しでも刺激を弱くする方向はいかがでしょうか。孤独感を和らげる。和らぐとは、ひとつは激しさや厳しさが静まる/穏やかになるという意味。どうどう、って感じですね。激情型の馬の興奮を落ち着かせるがごとく。凍てつく吹雪によって凍えた身体を暖炉で温めるがごとく。孤独感が、激しく厳しい何かという前提にもとづいていますね。もう一つの意味は、打ち解ける/仲良くなる。よろしくやるイメージでしょうか。何かこれ、いいかも。擬人化した孤独感と、よろしくやる。結局、一生、完全に消えることはないですからね。孤独感。

さて、色々と考えてみました。
個人的には、孤独感が晴れる孤独感を和らげるの2つが分かりやすいように感じます。みなさんは、いかがでしょうか?他によい表現があったら知りたい。ぜひ意見を聞かせてください。

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