コム活日記☆三度目、の場所に来てみる。
某駅前、
あまり人通りは無いが、商業施設もないため排除される心配もなく、車も通らない道なので、音は聞こえるし落ち着いて尺八が吹ける、そんな場所を見つけた。
実はこの場所の駅を挟んで反対側の商業施設とマンションに囲まれた場所では何度も吹いていたが、あまり虚無僧向きな場所ではなく、いつも徒労に終わっていた。
南口と北口でこんなに雰囲気が違うのか、というくらい趣の違う駅がよくある。
因みに、私が生まれ育った岐阜県のJR高山線各務原駅は、北口はすぐ目の前が山、南口は国道が真横に走り大型トラックなどがビュンビュン走っていて、あったはずの商店街は地方によくある大型店出現のためもう跡形も残っていない、趣どころか荒涼とした雰囲気の駅だった。
こんな駅での虚無僧は、電信柱にでもなった気でやらないと無理だ。
あ、
最近ようやく駅にトイレができた。
立派なやつ。
無人駅ですが。
さて、
その日は久しぶりに夕立のような雨が降り、少し気温が下がる。雲行きは怪しいが風もおだやかで虚無僧日和だ。
そんなわけで、
駅に着いた途端に雨が降りだした。
雨なんて久しぶり✨
とちょっと感動しつつ、まぁ雨に濡れて風邪ひく季節でもあるまいと、吹き始める。
吹き始めた途端に、すぐ斜め前の店の人がこちらを見ている気配。透明のドアが開いて足元だけがみえる。
前来たときは2回ともこの店は休みだったかもしれない。
その店の主人は3回くらいドアの前に出てきた。
足の向きはこちらを向いているので、絶対こちらを見ている。
これは通報されるかな…
と内心思いながら吹いていた。
いい加減止めてくれとでも思っているのか。
あ、
とうとう出てきた。
チャリンと入れてくれた。
安堵…。
その後、
雨の中、虚無僧が尺八を吹いていても、別に同情を引くわけでもなく、人々は通り過ぎて行く。
可愛いカッパを着たちびっこ達が、覗き込んで行く。
見慣れない黒い服着て変な帽子かぶってる人が笛なんか吹いてたら、そりゃびっくりするね。
目を見開いて、じっと見ていく子たち。
よくあるのが、首だけこちらを向いて見ているのだが、その後お母さんと手をつなぐパターン。
まるで怖いものでも見たかのように、私を見た後に、お母さんと手をつなぐ。
やっぱり怖いのかな…。
それから、かれこれ1時間半ほど。
さて、もう疲れてきたぞぃ。
でも、あと一曲頑張るか。
と、吹いていたら、小学生の男の子達が遊びに行った帰りか幾人かたまっている。
すると、
ワイワイ言いながら財布を取り出し次々と1円玉を偈箱に入れてくれた。
おお、
ありがとうよ。
一曲がんばった甲斐があったね。
終わる頃には雨は止んでいた。
今日は一人若い女の子が暫く見ていてチャリンとくれた。
仏教心の篤い人なのかも知れないが、時々若い女の子が反応してくれる。
音を聞いていてくれたなら嬉しいなぁと思いつつ…、
吹いてみたいなぁなんて思ってくれたらもっといいのになぁと、儚い希望を抱くのでした。
この世は儚き夢なれど………。
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