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尺八を吹く菩薩さま☆東京・東大和市圓乗院にて
奈良の東大寺の大仏殿正面に、国宝に認定されている金剛八角燈籠という大きな燈籠があります。
幾多の戦火にも耐え続け、奈良時代創建当初からあるものとのこと。
その東大寺八角燈籠の、東西南北四面の羽目板部分には獅子が彫られ、残りの四面には音楽を奏でる音声菩薩が彫られています。
その中に、音声菩薩の中の一人に尺八を吹いている菩薩さまがおられます。
尺八の研究を少しでも始めた人なら誰でも見たことがあるであろう八角燈籠の尺八吹きの菩薩さまです。
この八角燈籠、奈良に行かないと見られないとずっと思っておりましたら、何と東京都の北多摩地区にあたる東大和市の圓乗院というお寺にて、偶然拝観することが叶いました。
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奈良の八角燈籠には無いですが、こちらには風鐸がついています。
音声菩薩像は四体あり、それぞれ横笛、尺八、銅鈸子、笙を演奏しています。
(銅鈸子とは、仏教儀式で鳴り物として使われていた現代で言うタンバリンのような楽器)
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そして、
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この頃吹かれていたのは、いわゆる古代尺八と言われている細身の縦笛のはずですが、曲がり具合だとか太さだとか、現代の尺八っぽい。
こちらの邦楽雑誌の表紙にもなってます。
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尺八研究家・神田可遊師よりご提供
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中身が濃い。
一世代前の超有名人が勢揃いです。
この金剛八角燈籠が、なぜこのお寺にあるのか、ご住職に聞いてみないと分かりませんが、大和(奈良)の東にある、東大和市だからかな?奈良からはかなり離れてますけど。
と、勝手に想像したりしておりましたが、東大和市の名称の由来調べてみましたら、
大正8年11月の村制施行時に、それまで政争が盛んであった芋窪、蔵敷、奈良橋、高木、狭山、清水の6か村が大いに和して一つになるということから「大和村」と称したのが起こりで、その後、昭和29年5月3日に町制を施行し、更に昭和45年10月1日の市制施行のときに、東京の大和市という意味をこめて付けられたものです。
とのこと。
奈良、関係無かった...。
こちらは江戸東京博物館デジタルアーカイブスの明治時代初期の八角燈籠。
大きい…。
八角燈籠のレプリカは、その他、根津美術館の庭園、京都国立博物館の敷地内にもあるそうな。
東大和市の圓乗院は、境内には色んな仏さまがおられます。
まずは、山門
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両脇にはめっちゃ強そうな仁王さまがおられます。
山門手前には石幢
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石幢は日本では六角幢が圧倒的に多いので六角幢とも言われているとのこと。こちらは四角い石幢です。
この石幢は単制といわれるもので、基礎の上に幢身がありますが、重制といわれるものは灯篭のような形になっています。
中国では、随・唐・宗の時代に盛んに造立され、優れた遺品が残されているそうです。
その隣には首の無いお地蔵さま三体
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存在感がすごい。
弘法大師さま。
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大きな弘法大師さま。
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釈迦誕生仏。
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夏には蓮の花が咲くのでしょうか。
聖観世音菩薩さま。
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この仏像はどなたでしょうか。
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さらに進むと、
階段の先に御本堂。
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誰でもお線香ができるように置いてあります。
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見晴らし良いです。
本堂横には水子地蔵たち。
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最後にお寺の掲示板。
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苦難に満ちた
冬の時代の後に
春は来る
どんな時にも
希望を持って
前向きに
お寺さんにいわれると、妙に納得、心強い。
その他いろんな石碑があり、庭も小道があったり池があったりして、お寺散策を楽しめます。
さて、
この圓乗院は狭山丘陵の麓にあり、すぐ横には都立東大和公園への遊歩道へとつながる道があります。
静かな雑木林が広がっています。
ベンチもあちこちにあるので、休憩するのにも最高。
その西側には、東大和市立狭山緑地があり、そちらでも大いに自然散策が楽しめます。
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木道がずっと続いている道。
その麓には、東大和市郷土博物館。
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やっぱり縄文人スゴい。
と改めて感心したり、そのミニチュアを作ったりしている現代人もやっぱりスゴい。
と感心したり笑
そして多摩湖(村山貯水池)が出来た経緯をはじめて知りました。
東京都の水の確保の為とはいえ、埋没した村の人々の犠牲の上に成り立っていると思うと、心痛みます。
重機も何も無かった時代に作られたこの大きな貯水池は、全て人の手で作られたそうで、その工程なども展示されています。けっこう驚いた。
東大和市立狭山緑地には展望広場があり、一日の締めくくりに遠く丹沢方面の山々を眺めボーっとできます。
一日たっぷり楽しみました東大和市。
帰りは旧青梅街道をてくてく歩いて、また武蔵大和駅に向かいます。
あー、この辺り、鈴法寺行った虚無僧絶対歩いてる!と心で思いながら。笑
途中のお地蔵さんと馬頭観音さま。
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都内の根津美術館の八角燈籠は、庭園にあるため近くから観察することは出来なさそうなので、尺八を吹く音声菩薩さまを近くで見たい方は、是非東大和市の圓乗寺まで♪
あの有名な尺八吹いてる菩薩さまを拝めますよ🙏
参考文献
庚申懇話会編『日本石仏事典』
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