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ついていないコム活☆
某地下道にて。しばらく吹いていてもいつものことだが人々の反応はない。オバチャンが10円くれただけだった。
場所を変えようと、隣の駅に行く。
ここは、後ろが壁で、高架下のため音がよく通るので、誰かしら聞いてくれる場所ではある。
が、
眼の前に、下校途中の高校生が5、6人たむろしはじめた。
元気な高校生の話し声には負けてしまう。
そして、何やらチクリとすると思ったら、蚊が飛び立っていった。顔やら首やら数カ所刺される。
10月の後半だと言うのに…。
秋になってもまだ生き残っている蚊は「なごり蚊、残り蚊、秋の蚊、秋蚊、名残り蚊、溢れ蚊、哀れ蚊」など季語になっていて、
夏の名残と秋の寂しさを思わせる。
とのことだが、
痒い私にはそんな情緒は感じられない。
哀れなのは刺された私だョ。
このまま蚊に刺された顔で電車に乗るのも恥ずかしいので、暫く吹くことにする。
先ほどの高校生の中の女子二人が、「キャー」とか言いながらふざけて1円を入れていった。一人の男子が近づいてきてお辞儀をしてみたり。
しかし、まだ立ち話は終わらない。
いいよ、青春なんだし。
ただ終わろうにも、編笠をとったらただのオバサンだったわなんて高校生たちを失望させてもなんだなぁと、虚無僧のイメージ悪化の懸念とあれこれ考える。
喧騒の中、吹くのは疲れるのだが、もう少し吹くことにする。
…と、
一人、二人、と通りすがりの人が気がついて、
チャリンと入れてくれた。
外国人がザザザっと財布に溜まった1円玉を入れていった。(観光客あるある)
あ、高校生たちやっと解散した。
やれやれ帰ろうと編笠をとったら、
若い男の子が、
「綺麗な音でした。」
と100円を差し出してくれていた。
蚊に刺された顔でお礼もなんですが咄嗟に恐れ入ります。
今日は、まぁついてなくも無かった…かな。
というか、救われました🙏
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