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美空ひばり歌う『越後獅子の唄』


歌うように尺八を吹いてみたいシリーズ♪


お正月と言えば獅子舞を思い浮かべますが、こちら「越後獅子の唄」は、松竹映画「とんぼ返り道中」の主題歌。

この映画は、少女歌手美空ひばりが中心の滑稽捕物で、無邪気な娯楽映画。


歌詞の内容はお正月とは少々かけ離れた悲しい、孤児の歌。



「ロ」始まりです🎵




作詞:西条八十
作曲:万城目正
歌唱:美空ひばり


1.
笛にうかれて 逆立ちすれば
山が見えます ふるさとの
わたしゃ孤児(みなしご) 街道ぐらし
ながれながれの 越後獅子
2.
今日も今日とて 親方さんに
芸がまずいと 叱られて
撥でぶたれて 空見あげれば
泣いているよな 昼の月
3.
打つや太鼓の 音さえ悲し
雁が啼く啼く 城下町
暮れて恋しい 宿屋の灯
遠く眺めて ひと踊り
4.
ところ変れど 変らぬものは
人の情の 袖時雨
ぬれて涙で おさらばさらば
花に消えゆく 旅の獅子





こちらは映画↓




越後獅子えちごじしとは

門付 (かどづけ) 芸およびそれを題材とした音楽および舞踊。

(1) 越後 (新潟県) 蒲原を本拠として諸国を歩いて角兵衛獅子の扮装で踊りや軽業 (かるわざ) を見せる門付芸およびその芸人。
(2) 地歌箏曲およびその地による地歌舞。峰崎勾当作曲。三下り手事曲。箏の手は流派,地域により異なる。
(3) 歌舞伎舞踊曲。長唄。文化8 (1811) 年江戸中村座において3世中村歌右衛門の七変化舞踊『遅桜手爾葉七字 (おそざくらてにはのななもじ) 』のうちの一つとして作られた。篠田金次,9世杵屋六左衛門作 (後者は曲も) 。市山七十郎振付。軽業を披露する越後 (角兵衛) 獅子を題材に,地歌『越後獅子』,『さらし』,民謡などを取入れ,うまく江戸ふうに仕立ててある。浜唄,踊り地,布ざらしなどが有名。プッチーニの歌劇『蝶々夫人』にその旋律が取入れられているほか,浜唄を山田耕筰が独奏曲に編曲。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典





越後獅子とは、角兵衛獅子の別称で、新潟市指定無形民族文化財であり、180年以上続く伝統芸能。

獅子舞というと、あの赤い顔の獅子頭を被って二人立ちで舞う印象が強いですが、角兵衛獅子のように一人立で、から獅子の頭のものや、イノシシ,シカ,竜頭を用いる風流ふりゆうの獅子も多く、鹿しし踊、八鹿やつしか踊と呼ばれる。


水戸から移り住んだ角兵衛はあるとき何者かに殺され、角兵衛を殺した犯人が角兵衛に足の指を噛み切られていたことから、残された二人の息子は、大衆の中で逆立ちすることを思いつき、「あんよ(足)を上にして、あんよの指のないものを気をつけて見れ」と歌い囃して、犯人をたずねて諸国を巡り歩いた。又、信濃川沿いのこの地は昔、沼地であり、年々周期的に襲う川の氾濫は、村民を飢餓の苦しみに追い込んでいた。これを憂えた角兵衛が獅子舞を創案し、農業のかたわらこれを村民に教えこみ諸国を巡業したと、「言い伝え」としてこの地域に伝わっている。




新潟市南区観光協会HP



明治以降、幼童の旅稼ぎは無くなり、一旦は消滅しましたが、保存会によって復活し今も芸が受け継がれているそうです。



豊原国周 画
「角兵衛獅子のまねをする子供」
Tokyo Metro Library


国周の浮世絵を発見✨

一度、角兵衛獅子の舞を観てみたいですね🎵

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