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【浮世絵と尺八】金神長五郎と青面金剛神👹
見出し画像は、歌川国芳 画の、
『達男気性竸』金神長五郎
着物には、怖〜い形相の青面金剛明王。
青面金剛明王とは、鬼病を流行させる鬼神で、身は青色で四臂または二臂・六臂に造り、目は赤くて三眼、頭髪は火のようにさかだち、身には蛇をまとい、足下には二匹の鬼を踏みつけた怒りの形相をとる。
日本では道教の説と結びついて、庚申の本尊としてまつられ、独自に発展した尊格だそうです。
(絵がまぢで怖い…)
帯には干支の動物が描かれています。
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1850年
長五郎は武蔵国の生まれで、ある時、小鳥を取りに山中に入ると廃墟となった寺があったので覗いてみたところ、その中には仁王や金剛神といった、神仏の姿をした妖怪たちが蠢いていた!
そこで長五郎は、やにわに着物を脱ぎ捨てて妖怪の中に飛び込み金剛神の妖怪へと組み付き、これを投げ飛ばしたところ、それに恐れをなしたのか、残る妖怪ともども姿を消してしまった。
これ以降、長五郎は「金神」という渾名をつけられたという。
こちらは、まさに取っ組み合いをしている長五郎。
こちらも国芳画。
『伊達模様血気競』金神長五郎
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お次は、
歌川豊国の金神長五郎
こちらの浮世絵は三人同じ着物を着ていますが…
ん?
真ん中の子どもが金神長五郎ですね。
香蝶楼豊国画 (三代目豊国)
「長兵へ子分 背高藤兵衛」
「長兵へ子分 金神長五郎」
「長兵へ子分 生不動与兵衛」
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長兵衛の子分三人ということですね。
その、
幡随院長兵衛とは。
元和8年(1622年) - 慶安3年4月13日(1650年5月13日)あるいは、明暦3年7月18日(1657年8月27日)とも)
江戸時代前期の町人。町奴の頭領で、日本の侠客の元祖ともいわれる。『極付幡随長兵衛』など歌舞伎や講談の題材となった。本名は塚本 伊太郎。
おお、元祖侠客!
この方、映画や小説、ドラマにもよく登場されています。
両脇の子分の一人、
生不動与兵衛とは、
(すごい名字…)
江戸時代前期の侠客。
承応-明暦 (1652-58) のころの人。浪士津田平大夫にはずかしめられたが、剣術に未熟でたたかえず、寺西閑心に相談する。戦いには気力がすべてとおしえられ、閑心からかりた刀でついに平大夫を討ちはたした。これより江戸で名を知られ、不動と号して生不動とよばれた。
と、実在する人物も。
自分で「不動」と名乗っちゃうあたりがすごい…
こちらに三枚続きの浮世絵が見られます↓
他にも子分がいっぱい😅
『幡随長兵衛出迎え図』
そして、
豊原国周の金神長五郎。
国周(1835-1900)は、豊原周信及び、歌川国貞(三代目歌川豊国)の門人。
「金神長五郎 河原崎権十郎」
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1864年
初代 河原崎権十郎(1838–1903)ですね。
さて、
この長五郎さんに関しては実在するのか詳しい事は分かりません。図書館の歌舞伎人物事典でも調べてみましたが、載っていませんでした。どなたかご存知でしたら教えてください。
それにしても青面金剛神、妖怪が化けるだけあって妖怪よりも怖そうですが、その妖怪を投げ飛ばしてやっつけちゃう長五郎がこの世で一番強い?!
この世の悪者は、妖怪だけであってほしいと願うばかりです...
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