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【クリエイティブ生活】『暴れん坊将軍』の本質は日本版ノブレスオブリージュだ【ウェブ小説について】


 昔人気だった時代劇『暴れん坊将軍』のような物語がウェブ小説投稿サイトで人気であるから、私もそのような物語を書くべきだとほのめかされたことが何度もある。

 彼らが言うには、単純明快な勧善懲悪ストーリーを書いて『読者様』に爽快感を与えるべきだと言うのだ。

 私の考えを言わせてもらう。

 『暴れん坊将軍』の本質とは、《単純明快な》勧善懲悪ではなく(勧善懲悪ストーリーにも、善悪が単純明快ではないものは多数ある)日本的に解釈されたノブレスオブリージュすなわち『高貴なる者の責務』にこそある、と私は考えている。

 高貴な身分の者が、民を搾取や支配の対象ではなく、守るべき存在として扱い、彼らの上に立つに相応しい者であろうとする。それが、『暴れん坊将軍』に描かれた日本版ノブレスオブリージュだ。

 従って、欧風ファンタジーであろうが、敵側にも一理ある展開だろうが、不幸にして主人公が敵を取り逃がす羽目になろうとも。

 そこに高貴なる者の責務を果たす者が描かれているならば、生まれ育ちだけでなく精神と行いも高貴なる者が描かれているならば、そこには必ずかつての人気時代劇『暴れん坊将軍』の精神が生きているのだ。

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片桐 秋
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