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ミヒャエル・エンデ『鏡の中の鏡』より『息子は父親である師匠の〜』感想
『はてしない物語』『モモ』で有名な、ドイツの作家ミヒャエル・エンデの短編集から、2番目の短編の感想をお送りします。
一番最初の一文が、そのまま目次にあるタイトルとなっています。
この物語は、迷宮のような都市で、そこから脱出するために、父親である師匠から、翼を作り飛ぶ方法を習った若者の話です。
若者は、巧みに翼を作り上げ、上手く飛ぶようにもなれました。
しかし、背負わなくてよい他人の苦しみや不幸を背負い込んだために飛べなくなってしまいます。その結果は、父親や恋人をも不幸にしてしまうのでした。
他人の苦しみに寄り添うのは基本的には良いことでしょう。しかし自分の力で立ち上がろうとしない人は、相手の善意にタダ乗りするしか出来ないのです。
そのような人々を無制限に助けていては自分がつぶれてしまう。なかなかシビアなテーマですね。
幸せになれれば、空を飛べて迷宮都市から抜け出せる。若者は抜け出す前に人の苦しみを背負い過ぎてしまいました。
人生には自分を第一にしなくてはならない時期もあります。不幸な人の手助けはしても、代わりに苦しみを背負ってはならないのです。
私はこの物語を、このように解釈しました。
あなたならどう受けとめるでしょうか?
ここまで読んでくださってありがとうございました。
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