『ブルーロック』のようなヒット作でも万人受けはしない
万人受けと一般受けは違うと思っている。今では昔と異なり、大人が少年漫画やアニメを読んだり観ていても白眼視はされなくなった。
『ブルーロック』の読者はだいたい10代や20代くらいで、男女双方に人気があるようだ。(キャラクターグッズの展開やイベントなどを見ると、乙女ゲームなどが好きな女性対象にしているのかなと思ってしまうけれど)
一般受けはしていると言ってもいいだろう。
それは万人受けとは異なる。
ワールドカップで優勝できなければクソとか、日本は突出した才能をガラクタに変えるとか、メインキャラが言っている漫画が万人受けするわけ無いだろって話だ。
余談だが個人的にはこの漫画をきっかけに現実のサッカーに興味を持ちましたとは少々言いづらく、TwitterXにおいて、作中でクソ呼ばわりされた実在の選手をすごく称賛するポストを見た時には「ひえっ!」となった。
まあそんなわけだがもう一つ。職場でのやり取りにDiscordを使っているが、休憩時の雑談で漫画の話をするコーナーもある。誰も『ブルーロック』を知らなかった。
あるいは名前程度は知っているが、あまり関心がなかったのだろう。
まあ三千数百万部売れていてこれである。
もっと売れていて有名な『スパイファミリー』や『鬼滅』の名も、見た限りは挙がっていなかった。
何が言いたいかと言うと。
ウェブ小説界隈で、ウェブ小説として受けやすい小説を書いている人たち、特に書籍化作家と呼ばれる商業実績のある人たちの様子を見ていると、
書籍化すれば、コミカライズやアニメ化すれば、少なくともウェブ小説投稿サイトに小説を投下しに来る人ならば、誰でも自分たちの書いた物に関心を持って当然だと言わんばかりの態度の人たちも目立つ。
でもウェブ小説投稿サイトには、主流派の物が好きではない人もいる。別にさほどの関心はなく、他の物を書きたい人たちもいる。
書籍化、つまり商業出版を目指すなら知っておくべきか?
一理ある。でも、知っておくイコール無条件の敬意を抱くとか自分がそれを書く、とかではないのですな。
知ったところで長い目で見たら、果たして商業で有利になるかも分からない。
もうすでにそんな状況ではなかろうか。
読まれたければ、商業でやっていきたければ、多くの人の好みに合わせろという書籍化作家もいる。
それは確かに、例外もあれど多くの人に受け入れられそうな受け線は、どの分野にもある。もちろん、少年漫画も例外ではない。
ただ、少し気になるのが「その受け線に合わせさえすれば、多くの人に受け入れられる」と考えているようである点だ。
それは確かに、あまりにもどニッチな物を作ったり書いたりするよりは、多くの人に受け入れられるだろう。
でもみんなから無条件に称賛されるわけでも、知ってもらえるわけでもない。
受け線に合わせつつも、一方では反感を抱かせるような尖ったところのある作品だからこそ、ヒットしたのだろうという例もある。
つまり何が成功するのか、一概には分からないのですよね。
ウェブ小説投稿サイトに関わる人たちの間でも「どうすれば読まれやすいか」がよく話題になる。
でもそれは必ずしも「その小説自体を良くすることにつながる」とは限らない。
漢字をあまり開かずに書くのが、最初から世界観重視で書くのが、その小説にとっては正解かも知れないからだ。
だから、良かれと思ってかも知れないが「こうすれば読まれやすい」とアドバイスするポストも好きになれない。
私が見た範囲では、まさに良かれと思っているがゆえにテイカー状態である、ことが多い。
でも良いか悪いかは相手が決める。それをコントロールはできないし、無理にしようとすれば、まずあまり良い事にはならない。
何が言いたいのかというと「みんな、あるいは多くの人に好かれるように書いても、受け入れられるとは限らないし、ましてヒットするかは分かりませんよ」である。
一言で言うと、創作には正解だと断言できる事はまず無いのである。
だから断言するようなポストや、noteの記事などには気を付けて欲しい。
もちろん、このブログ記事も全面的に信じなくていい。
ただ、 こういう考えもあるとだけ、受け止めてもらえたらそれで充分である。
ここまで読んでくださってありがとうございました。また次回の記事もよろしくお願いします。