映画『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を見て。感想
逆噴射氏のブログを読み、さっそく映画館へ出掛けて観に行きました。やはり大画面で観る映画は最高です。
アイスウィンド・デイルが舞台と知って、俄然観に行く気になりました。かの名作『アイスウィンドサーガ』の舞台と同じです。架空の世界なので聖地めぐりとは違いますが。
架空のファンタジー世界における、北方の寒冷な土地の様子がよく分かりました。今後の参考にしようと思います。
冬の厳しさと春や夏の豊かな自然と、街中の様子がとてもよく作られていました。
日本人好みの小綺麗なファンタジーではありません。と言っても汚いわけでもありません。
中世や近世辺りの辺境をイメージさせる、洗練され切っていない無骨な建物の様式や内装がいい感じでした。
領主やその養女、またお金持ちであっても、あまりキラキラした華麗な服装ではなくて質朴さがあります。
いやあ、実に参考になりました。
アンダーダークと呼ばれる危険な地下世界の様子も迫力満点で、こうした要素を、自作のフィクションの冒険の舞台として取り入れていきたいと思いましたね。
基本的に女性のほうが強く賢く、それほ敵側も同じです。主人公があまり活躍していなかった気がします。しかし、面白かった! そこはさすがによく出来たエンターテイメントですね。
アクションシーンはメリハリと動きの見事さで思わず見入りました。敵のモンスターの作りや動き方もすごくリアリティがあり、真に迫っていましたね。これは、映像ならではの強みかも知れません。
どことなくドリッズトを思わせる人物も出てきたのですが、『アイスウィンドサーガ』がアメリカでベストセラーになってから四十年近くが経っているわけで、こうした人物造形はD&D関連では王道化しているのかも知れないと考えました。
そのあたりの事情にはくわしくありません。で、そんな人物造形を、ある意味で茶化しているというか、パロディ化している面もあるようでした。
この映画は、そんないかにもなヒーローが活躍する映画ではないのが売りなんだよ、どうしようもない社会の底辺にいるような者やはみ出し者が、それでも頑張って活躍する映画なんだよと言っているようでしたね。
今の自分の駄目なところも受け入れて、やれるだけ前に進む。それがこの映画の隠しテーマなのかも知れません。少なくともこの映画でエンパワーメントされる層は、『トップガン・マーベリック』とは明らかに違います。
それだけに個人的にはエンパワーメント度は少々足りないのですが、よく出来たファンタジー映画であり、よく出来たD&D映画だったので、大画面で観られて、そこは充分に満足です!
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
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