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欧米3カ国Amazonの小説のトレンドについて

 見たのはアメリカAmazon(Amazon.com)と英国のAmazon、あとはスペインである。

 だいたい本のランキングの上位20位くらいまでと、他にも読まれているファンタジーを見た。

 小説はアメリカの女性作家のものが強く、トレンドは戦う女性主人公を描いたファンタジーである。

 翻訳機能を使って、あらすじを読んだだけの判断だが、従来型の男性主人公のヒロイックファンタジーと同じように、雄々しく勇壮なファンタジーのようである。

 ChatGPT3.5の解説によれば「多様性を求める市場の現れ」だそうで、旧来の女性的なジェンダー意識を打ち破るものが求められているのだろう。

 イギリスのランキングもスペインのランキングも、アメリカの作家の作品が上がっている。

 トレンドを牽引するのはアメリカで、欧州言語の間には、ほとんど壁がないかのようである。

 たぶん、ハリー・ポッターが売れていた時代には、トレンドの中心は英国だったのではないか。私が知る限り英国は昔から、女性作家の手になる優れた児童文学の伝統がある。

 スペインAmazonもアメリカ作家のファンタジーがランキング上位に来ているが、スペイン作家のファンタジーもある。

 やはり女性作家による、自立と尊厳、自分の娘のために戦う女性主人公の物語である。

 背景世界の設定は、英米のハイファンタジーによく見られるのとは異なり、現実世界にかなり近い作りでありながら、非現実の世界である。

 架空の歴史物と言ってもいいが、それよりは幻想性が高い。

 私が連想したのは、南米発のボルヘスのような作家の書くマジックリアリズム的な作風だった。

 そこに空間的、歴史的な壮大さ広がり、主人公の積極性も加えた感じだろうか。

 非常に心惹かれたが、スペイン語の小説が翻訳されて日本に入ってくる可能性は低い。

 アメリカのベストセラー小説は、いつか翻訳されるかも知れない。

 Amazonがもたらした功罪とされるものは多いが、こうして欧米市場を見ることができるのは、間違いなく功のほうだと思う。

 ここまで読んでくださってありがとうございました。また次回の記事もよろしくお願いします。

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片桐 秋
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