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向田邦子とツルチック
向田邦子さんの著書「眠る盃」の中に「ツルチック」という話がある。
もう学生時代に読んだ本で、手元にないのでうろ覚えだが父親のお土産の「ツルチック」というぶどう酒のような液体を、水で薄めて飲んだエピソードが描かれ、またあの味に会いたいという内容だったと記憶しているが・・・合ってる?
「ツルチック」を読んだ方から手紙や電話でやり取りしたものの、有力な手掛かりはなかったそう。
だがその後、「ツルチック」の正体が意外な人物によって判明する。
誰に聞いたのか向田邦子さんに電話をかけてきた相手は
「子どものころに遊んだトランプに書いてある絵がその植物のようです。送って差し上げましょう」
「お互い忙しいのだから」
と名乗らず、電話を切った。
後日、届いた封筒を開けると「ツルチュク(韓国のものらしい)」の絵が描かれたトランプが一枚。ただそれだけ。
封筒には差出人の名前「谷川俊太郎」とだけ書かれていた。
谷川俊太郎さんのご逝去のニュースから、学生時代に夢中になって読んだ向田邦子さんのエッセイを懐かしく思い出した。
また引っ張り出してみよう。
そして、ツルチックも探してみよう。