夏の恒例行事⁉困ったさんにならないための「患者力」
この時期、いつものクリニックや薬局が夏休みをとっていて、どうしよう!!っていう患者さんがとても増えます。
処方箋はもらったものの、明日でいいや~と思っていたら薬局が閉まっている。などなど。
毎年夏休み、年末年始のなんとかしてあげたい恒例行事です。
病院だってクリニックだって休むんです
きっと、定期的に通っている患者さんは、病院やクリニックのお休みをきちんと把握しているんです。
でも、ごくたまに「休みだなんてしらなかった」「薬がないのよどうしよう」って薬局にかけこんでくる方がいます。
結論から言うと、どんな事情があろうとも処方せん薬を処方せんなしでもらえるなんていうことはありません。
そうなったらその時開いている病院を探して、事情をお話して、同じ薬の処方せんを書いてもらうしかないでしょう。
そのとき、お薬手帳がないと、もうどうしようもないです。
「血圧の、白いやつ」とか、やめてください。
お薬手帳がめんどくさい人は、アプリの手帳でも大活躍しますからね。
医師に見せてください。いつ、どのこ病院で処方されたかわかりますから。
ただ、その処方内容や医師によっては処方できない場合もあります。
アプリの手帳=スマホで撮った写真でいいのか?
スマホで薬の写真を撮って、「この薬が私の服用している薬です」ってお薬手帳のように見せてくる方います。
良いわけないんです。自分の薬だっていう証拠はどこにもないですから。スマホで完結したい人は、必ずアプリの手帳を使用してくださいね。
あれはけっこう登録もちゃんとしていて、少しだけ手間はかかりますが、薬局から直接データが入るような登録にしておけば、自動的に入ってきます。いろいろな種類のアプリがあるみたいなので、自分の利用している薬局と連携できるものを選ぶのがラクチンかもしれません。
油断大敵 「期限切れ」!!
処方せんの期限が処方された日から4日間 というのはそれほど世の中に浸透していないのだと思います。
期限切れの処方せんをお持ちになった患者さんは、口をそろえて「そんなこと言われてない」「知らなかったんだからなんとかしてよ」と言うんですよ。
基本的に私の勤める薬局では、「病院に連絡して対処してもらってください」と言っています。要するに、容赦なく突き返しですね。
処方せん自体に必ず記載されているし、病院で受け取るときにも「4日以内に薬局で薬をもらってください」って言われているはずなんです。少なくとも私は受診して、その決まり文句を言われなかったことはないです。
もし、どうしても4日以内にうけとれないときは。
とても簡単です。
先に!!医師に理由を説明して 処方期限をのばしてもらう が正解です。
たいていの場合、1週間くらいだったら延長した期限を記載してもらえるのではないかと思います。
期限切れたらどうすれば!?
期限の切れた処方箋はただの紙切れです。
以前は、期限を延ばしてもいいかということを、薬局から病院に電話して許可してもらっていました。
ただ、今はもうそういう行為自体が、基本的にしてはいけないことになりました。患者さんに、どうしてもと言われて病院に電話をしてみても、再受診をするように言われることがほとんどです。
薬局のお休みも確認して
病院やクリニックの目の前とか、すぐ隣にある薬局は、その医療機関が休みだと一緒にお休みするところが多いです。
私の勤める薬局は、お休みがないのでこの時期そういう処方せんを受けることがとても多いです。
でもね、薬がそろわないんですよ。「ジェネリックはいやだ」「このメーカーのでないと困る」「色がちがう」とか、なるべく希望に沿いたいんですけどね。
だからかかりつけの薬局を持ってほしいわけです。
もし薬局にお勤めの方ならわかると思います。そういう処方を受けた後が大変だということを!
その方のために仕入れた薬。残ったけど、もうその患者さん来ない。。。
不動在庫です。怖~~。
いやいや、そういう要望にもこたえるのが薬局の役目だとわかっていますけどね。
「患者力」を身につけて
最適な医療を受けるために、自分の「患者力」を高めることも大切です。自分の疾患に合った医師を見つけ、便利な薬局で薬をもらい、快適に治療を受ける。
たったこれだけのことなのに、難しいのですよ。
「知らなかった」「聞いてない」では済まされないこともあります。
ぜひ、ご自分が困らないように適正な医療が受けられるように、自分も努力しましょう。
①かかりつけの病院や薬局のお休みは把握しておく
②お薬手帳、アプリなどはきちんと記録しておく
③処方せんの期限を忘れない
④定期的に服用している薬は、7日分くらいは余裕をもっておく
⑤自分の不備で薬がもらえないことがあったとしても、薬局でキレない
おまけ
先日、処方箋の期限が切れていることに気づかずに来局された方がいました。
いつものように「病院に連絡して、どうするか相談してください」と話したら、わなわな震えて「どうしよう、困る困る」ってパニックに。
大変混雑している時間でしたので、その方の対応に一人薬剤師とられてさらに大混雑。その方もみんなに注目されて、もう目も当てられない感じでした。
日本の医療はそんなに冷たくないので、さまざまな策を練ってその方の事案もまるくおさまりました。
元気になってくれているといいなと思います。