大切なことは目に見えない
いつだって、気付くのは失ったあとだ。
誰しも大切なものを手にしているはずなのに
なぜだろう。いつのまにかそれは、手からこぼれ落ちている。
生まれて来たことに意味はない。
強いて言うのであれば、自分の両親が、
子どもが欲しいと思ったことが自分の産まれた理由だ。
でも、生きている意味はほしい。
何のために生きるのかは、自覚的に生きていたい。
生きている意味って、どうやったら手に入るのだろう。
それはもう、自分の心、体、頭に問いかけ続けるしかない。
あの日の僕は、きっと知っていた。
高円寺の事務所、熱気を帯びた体育館。
清澄白河のバー、東松原の公民館。
大切なことは、目に見えない。
そこかしこにあるかもしれないが、
ここにしかないかもしれない。
胸のうちに、問いかけてみるといい。
たしかに、欲しいもの、求めていること。
風が吹いて、どこか遠い空に飛んでいってしまう前に。