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オリジナル小説 ジュンちゃんとヒモ男#4
犬も入場可能な、フラワーパークに雛子さんと僕、そしてヒモ男で行った。今の季節は冬だから、咲いている花は少ない。ゆえに、今の時期はイルミネーションが見どころなのだろう。園内を一通り歩き、昼食に立ち寄った店でのことだった。
「ひなちゃん、大事な話があるんだけどいいかな」
「なあに」
ヒモ男がそわそわしている。
「あのさ、俺たち別れることにしない?」
雛子さんが面食らった顔をした。「どうして?」
「いや、ひなちゃん35じゃん。だから結婚とか考えてるのかなって思って。俺、一生働きたくないし、かと言ってひなちゃんのところにいたらひなちゃんがダメ人間になっちゃうかなって思って。俺は23歳だからまだ人生終わってないけど、結婚はしたくないんだよね、正直。子供苦手だし。でさぁ、ひなちゃんはどう思う?」
雛子さんは絶句していた。
「言い方悪いけど、放流っていうの? ひなちゃんが結婚考えてんだったら、他に男探したほうがいいんじゃないかな。俺は俺で、毎日楽しく暮らせるように、新しい宿主を探すからさ」
「……ちょっと考えさせて」
顔面蒼白の雛子さんから、やっと出た言葉だった。
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