オリジナル小説 ジュンちゃんとヒモ男#5
「ねえジュンちゃん」
ヒモ男がパチンコ屋に言ったのを確認して、雛子さんは僕を抱っこした。
「私、亮くんがヒモでもいいの。初めて私を必要としてくれたのは亮くんなの。ずっと守っていきたいって初めて思えた人なの。だから別れたくない。結婚だって、亮くんが望まないならずっとしなくていいし。確かに、同級生や友達が結婚していく姿を見るのはツライけど、私は亮くんがいなくなるほうがツライ。亮くんとずっと一緒にいたい。ねえジュンちゃん。私、どうしたらいいのかな」
うわーんと、雛子さんは泣き出した。僕はヒモ男のことが嫌いだから、いなくなるほうがせいせいする。でも雛子さんはツライと言う。この状態が、“板挟み”なのだろうか。
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ここまで読んでくださって、ありがとうございます!
より良い記事を書いていきたいです。