見出し画像

息子の修学旅行へ行かないという選択

息子は一学期学校へ行っていなかった。
夫が倒れ、彼なりにショックだったのだろう。

あれは、3月だったか、
息子が夫のことを嫌だと言い出した。
息子は私の連れ子で、夫とは血のつながりがない。
それでも、夫は自分の「ほんとうの」息子のように、可愛がっていた。
中学に入る時は、受験もした。
夫が、息子に、「将来の可能性を広げるために中学受験をすべき。」と言い、
息子も乗り気だった。
見事に受験に失敗した息子は、
なにやっても無駄でしょって感じに投げやりになってしまい、
勉強をするどころか、ゲームに熱中して、
自分の目標や希望が見出せない感じだった。

そんな息子であるが、
夫が亡くなり、
二学期から学校へ行くと言っていたものの、
2日間だけ出て、「疲れた。もういい。」と言って、学校へ行かなくなった。

明日からは修学旅行だが、息子は「行かない」という選択をした。
私は、あまりショックを受けていない。
中学二年になった当初は、楽しみなことは修学旅行だと言っていたので、
当然行くものだろうと思っていた。
しかし、学校へ行けない今、修学旅行へ行ってはたして楽しいかと言われたら、
答えはノーだろう。

私は、自らのことを進んで選択した息子を褒めたい。
なんで行かないの?!とか言いたくない。
だって、それは親の意見であって、
息子の気持ちを尊重してやりたいのだ。

自分が中学生の時のことを思い出してみる。
学校へ行くことが当たり前だった。
部活をすることが当たり前だった。
勉強をすることが当たり前だった。
私は、息子と比べると、男女の差?はあるかもしれないけれど、
かなり、与えられたレールに乗っかりまくって生きてきたほうだった。

息子は、悩みながらも、自らで考え、行動している。
すごいなって思う。

私の母にこの話をすると、
私があまりにいわゆる「みなと同じことをする優等生」だったために、
なんで?どうして?みんなと同じことできないの?と言う。

時代が違うし、個性が大事にされる世の中だ。
息子は、学校へ行けないというだけで、
劣等を感じることはないのだ。

確かに、勉強のことに関しては、心配している。
息子は、先にあげた、受験失敗から、
全くと言っていいほど、勉強をしなくなった。
中一のときの内容も覚えていないだろう。
中二、学校へ行っていないから、学力はない。
高校へ行けるのかな?と心配したりする。

でも、危機迫ると、人間て不思議なもので、
自分からなんでもするようになったりする。
私は、綺麗事かもしれないけれど、
息子の自主性が生まれる日が来ることを信じている。

この数日間、修学旅行に行くか行かないかで、
私もかなりストレスを感じていた。
どんな選択をしようと、私は受け入れるつもりでいたが、
「行かない」という選択に落ち着いて、よかったかなと思う。
前日のキャンセルだ。お金はもちろんそんなに返ってこない。
勿体無い。
でも、息子の精神面や体力を考えたら、最善の選択だったかなと思う。

息子よ、これからどう生きる。
思春期まっただなかのあなたにそんなことを聞いても、
きっと、「わからない。」と言うだろう。
あなたが自分で、自分のことを決め、
道を歩んでいくことを、期待している。

それでは。

いいなと思ったら応援しよう!