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日記


夫が迎えに来たとき、私が車に乗ると、彼は静かに言った。「過去のことが、今問題になっている」と。なぜ今、このタイミングで?昨年10月、夫の会社でシステムエラーが発生し、人事評価記録のロックが解除され、夫が不正にアクセスできてしまった。その中には、セクハラで処分された社員の記録も含まれていた。

夏が来る頃、私は家の購入を決意した。夫は、マイクロ豚か犬を飼うことも考え、養親里親制度にも興味を示していた。いくつかの物件を見た末、夫は「これがいい」と選んだが、彼の借金の問題でローン契約が難しかった。結局、年収200万円以下で障害者手帳を持つ私が契約者となった。夫は「君が契約者になってくれれば、僕がボーナスで支える」と言った。さらに、「これで、喧嘩してもお互いの家を出られなくなるね」と冗談めかして言った。

忙しい日々が続く中で、私は4キロも体重が減った。夫も試験勉強に追われていた。書類を揃え、無事に家の契約を済ませたが、私は1000万円のローンを背負うことになった。さらに、私の持病やがんの治療のため、団信保険にも入れなかった。その後、体調を崩し、コロナに感染。夫も感染し、二人で1週間休んだ。

幼少期から体調が優れないことが多かった私は、慢性疲労に悩まされていた。コロナから回復した矢先に、夫の不正行為が発覚したのだ。仕事、家の契約、夫の受験、両親への報告、そして引っ越しの準備がすべて重なっていた時期に。夫の受験が終わり、ようやく落ち着いたと思った矢先、私は車の中で夫を責めたり、慰めたりしながら、自分の中の尊重すべき感情が揺れ動いていた。

その夜、私は夫を叱り飛ばし、無視した。精神障害者手帳を持ち、甲状腺がんと橋本病を抱えながら、彼と4年間一緒に過ごしてきた。夫を支え続けていた好きという気持ちと、彼が外部に情報を漏らしていないと信じていた自分自身が、今となってはわからなくなっていた。

私はこれまでいくつもの仕事を経験してきたが、どれも長続きしなかった。精神的な負担や人間関係のトラブルが原因だ。障がい児支援員や学校職員、ファーストフード店の店員として働いていた時も、偏見やストレスに耐えていた。そして、ある年、がんが発見され、治療と入院を経て障害者手帳を取得したが、その後働き始めた職場でも社長の冷酷な言葉に傷つき、辞職を決めた。

私は前に進まなければならないと知っていた。10年にわたる心の治療、職場での相性の悪さ、人間関係の壊れ具合、セクハラ行為が繰り返される状況が続いていた。まるでRPGのように、何度も傷を癒してはまた負傷し、ついにはゲームオーバーに近づいていくようだった。

その後、地元の図書館でボランティア活動を続けたが、私を利用し、私を堕とした人々によって、心はまた壊れた。そして私は、またすべてを考え直さざるを得なかった。「女性として見られることの恐怖」が常につきまとっていた。そして、10年の最後の仕上げに大きな出来事が起こった。それはもう医師や心理士にも治せないと悟った出来事だった。

それから4年が経った今でも、フラッシュバックが起こる。それを乗り越え、職業訓練校に通い、ようやく「1人の人間」として扱われる経験をした。これまでの環境では「女性の障がい者」や「使い捨ての駒」としてしか見られなかったが、今の環境で、私は新たな一歩を踏み出せた。

夫との出会いは、ボランティア責任者からのセクハラで疲弊していた時期だった。彼はずっと私を支えてくれた。3年間の交際期間を経て、新婚生活の1年目が過ぎた。今でも不安に襲われ、眠れない夜を過ごすことがあるが、夫を信じて手紙を書き続けた。彼が職場で再び信用を得られるように、彼の努力や誠実さを伝える手紙だ。

夫は職場にその手紙を持っていき、4日後に復職した。私たちはこれからも困難を乗り越え、また一歩前に進んでいけるはずだと信じている。

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