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【詩】群れ

駅前広場 木立ちの繁みに
おびただしく 鳥が群れている
すきまなく 枝を埋めつくし
鳴き叫び 喉の渇きにかられている

日が暮れるたび 梢につどい
誰ともなく 飛び立てば
我れも我れもと あとを追い
辿り着く先を 知りようもなく
競うように 惹かれていく

いのちは 一瞬を駆け抜ける旅
導びく者も 従がう者も
みな あり様に満たされず
目にうつる 気まぐれな手招きに
都度 ねぐらをさがして

安らぎも 悦こびも
うつけて踊る だまし絵の罠
暗闇にまぎれて かき消えてゆく

©2024  Hiroshi Kasumi

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加澄ひろし|走る詩人
お読みいただき有難うございます。 よい詩が書けるよう、日々精進してまいります。