見出し画像

「恵まれている」の基準ってなんだろう?

私は大学1年生の夏にスタディーツアーを通じてベトナム北部の村で環境問題に関する活動に携わりました。詳しい内容はこちらの記事をご覧ください。

家業で小学校に行けず、兄弟のお世話もしながらといった多忙な生活を送っている子ども達もいました。一見「恵まれていない」子ども達だと思われがちですが、家族と一緒に過ごせて幸せだという面があると当時の私は目の当たりにして知りました。

大学卒業後に英会話教室に就職し、これまで何百人もの生徒達を見てきました。私が働いている英会話教室は正直授業料は高く、生徒達の多くは裕福なご家庭で育っている子がほとんどです。教育熱心な保護者が多く、子ども達も英語だけでなく毎日どこかの習い事に行っていたりと多忙な生活を送っています。こう聞くとほとんどの人は「恵まれた環境で育っているな」と感じるでしょう。しかし、そうとは限らないのです。

私がそう感じなくなったきっかけは入社して4ヶ月のことでした。当時の私の生徒(小2)がいつも通り教室に入って、さあレッスンを始めましょうというタイミングで大号泣したのです。私は一瞬で思考回路が停止し「どうしたの!?」と声をかけつつも焦りました。その子は泣きながら「英語やだ!頑張っても全然報われないし、本当は遊びたいし・・・」と自分の気持ちを吐露してくれました。その子は週2回英会話、その他の曜日は学習塾と他の習い事で埋まっていて、お友達と遊ぶ時間が一切なかったのでそのことに不満を感じていたのでした。「おうちの人にさ、今先生に言ってくれたことをお話したらどうかな?」と提案したのですがさらに泣き出して「僕が言ってもどうせ聞いてもらえない!将来のためだから・・・って言われるし。僕は毎日ビクビクしながら過ごしているんだ!これからもずっと相談だ・・・」と言ったのです、私が想像するよりもその子がずっとご家庭からのプレッシャーを背負いながら生きていることを知りました。私は50分レッスンのうち20分間その子が抱えている問題を聞いて、慰めることしかできませんでした。結局その子は小学6年生まで辞めることなく通ってくれて、中学校でも英語を得意科目として頑張っていることをお母様から伺うことができました。

実はこの子だけではなく、自分の希望と反してご家庭の期待を背負いながら嫌々来ている子も少なくはありません。そして私たち講師もそのご希望を叶えられるように指導していかないといけませんが、このように子ども達の温度差が生じてしまうと上手くいきません。私にできるのは生徒達の好きなことをレッスンに取り入れたり、お話を聞いたり、そして英語が楽しいと感じてもらえるように成功体験を増やしていくことです。それでも何をしても上手くいかない日だってあります、その時はありのままを保護者に伝えて「波があることはよくあることです。その中でもここまでできているので、ゆっくり進めていきましょう。」と納得していただけるまで私が知っているその子のことについてお話します。

少し話が逸れてしまいましたが、私は教育の観点から 裕福≠幸福 だということを改めて感じました。隣の芝生は青いとはよく言いますが、周りと比べるのではなく「自分はどんな時に幸せだと感じるのか?」ということを考える機会をもっと作るべきだと考えています。大人になっていくと就職、出世、結婚、出産といった年齢によるしがらみが増えていき複雑になっていきます。私もそうですが気にしないようにしていても避けては通れない時もありますし、そのことで落ち込むこともあります。そんな時に自分の中での幸福の基準を知っていれば、今よりも周りを気にせずに楽しく生きていけるのではないでしょうか。どちらかというと私に必要ですね。笑

恵まれた環境は人によって違うので、自分で生み出すしかないのです。子ども時代はそれが難しいとは思いますが、大人になった今は自分で考えられますし、作る力もあります。「自分は恵まれている、恵まれていない」と決めつける前に、自分にとっての幸福を考えてみてはいかがでしょうか。

Life is a never ending journey,

KSM

この記事が参加している募集

最後まで読んで下さりありがとうございます!私の記事に共感して下さったら嬉しいです。皆様のサポートは、私の原動力になっています、いつも本当にありがとうございます!!